「暦年贈与」110万の基礎控除を使って毎年贈与をおこなう方法

2023/02/27 19:00

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暦年贈与とは、贈与税の仕組み(暦年課税)を使った贈与の方法で、1月1日から12月31日までの1年間(暦年)に贈与でもらった財産の合計額に応じて、贈与税が課せられる仕組みです。 贈与税がかかるのは、暦年の合計額から基礎控除額110万円(一人当たり)を差し引いた額に対してです。そのため、毎年の贈与額が110万円以下であれ

暦年贈与とは、贈与税の仕組み(暦年課税)を使った贈与の方法で、1月1日から12月31日までの1年間(暦年)に贈与でもらった財産の合計額に応じて、贈与税が課せられる仕組みです。

贈与税がかかるのは、暦年の合計額から基礎控除額110万円(一人当たり)を差し引いた額に対してです。そのため、毎年の贈与額が110万円以下であれば、贈与税は課せられません。

暦年贈与は、この基礎控除額をうまく使うことで、非課税で贈与ができる仕組みで、申告の必要もありません。

暦年贈与を認めてもらうには工夫が必要

1年の贈与額が110万円以下であっても、“暦年贈与が認められない”ケースもあります。

というのも、贈与は「あげる側」「もらう側」双方の納得のもとに成り立つためで、ある人に対して毎年同じ日に、同じ金額を何年間も贈与していたような場合に、贈与税が課せられてしまうことがあるのです。

この場合、税務署が、「あげる側が一方的に(もらう側の意思とは関係なく)、初めからまとまった金額の贈与をするつもりだった」とみなす可能性があります。

そのような事態を避けるには、一括贈与に見られないような対策や、誰が見ても贈与だと分かるような工夫が必要です。

有効な方法の一つは、贈与契約書を作っておくことです。贈与契約書には、いつ、誰から誰へ、何を贈与したかを書き、贈与者の実印を押した上で、公証役場で確定日付をもらいます。

この贈与契約書は「あげる側」」「もらう側」の双方の自筆署名が必要です。それにより、贈与契約書に記されてた贈与が、一方的な判断ではなく、お互いの意思で成立しているとみなせるわけです。

そのほかには、あえて基礎控除の110万円を超える金額を贈与し、超えた金額に対して贈与税の申告と納付をすれば、数年間に渡って贈与が行われていた事実と贈与金額の証明になるとされます。

また、お金は現金の手渡しで渡すのではなく、本人名義の銀行口座に振込をして通帳に記録として残しておくことです。なお、贈与を受ける本人がその事実を知っておかなければいけません。

気を付けなければならない点は、贈与者が2023年12月31日までに贈与を行い、その後亡くなった場合は、3年以内に渡した贈与財産は、暦年贈与でも相続税の課税対象となることです。さらに、2024年以降は加算期間が3年から7年以内に延びるため、節税効果が乏しくなるといわれています 。【お金の単語帳】