残業時間を計算する際、5分や10分を切り捨てて残業代を払うと、違法になる場合があります。切り捨てられた残業代は、未払賃金として請求できるかもしれません。どんなとき、残業代は請求できるのでしょうか。
勤務日ごとに1分単位で残業代を計算する必要がある
勤務時間や残業代を計算するとき、1分単位で計算しなければ違法です。会社が勝手に30分単位や1時間単位で計算することにして、5分や10分を端数扱いにして切り捨ててはいけないのです。労働者に不利になる残業代の切り捨ては認められません。
こうした場合、会社は、本来払わなければいけない残業代を払っていないので、従業員は、未払賃金として請求できます(原則3年以内)。
1ヵ月単位で30分の端数を切り捨てるなら問題ない
ただし、1分単位で計算しなくてもいい場合があります。それは、1ヵ月単位で労働時間を集計したとき、30分未満の端数が出た時などです。この場合は切り捨ても構いません。逆に、30分以上の端数が出たら切り上げるのも問題ありません。
たとえば、ある月の残業時間が28時間5分だった場合、5分を切り捨てて28時間分の残業代を支払っても違法ではありません(もちろん、切り捨てずに28時間5分で計算して残業代を払っても問題ありません)。
1時間の賃金に円未満の端数があれば50銭未満は切り捨て可能
時給で働いている人の場合はどうなるかというと、1時間当たりの賃金額に円未満の端数が生じたとき、50銭未満の端数を切り捨てて50銭以上の端数を切り上げることは認められています。
たとえば、残業代が25%増しになる職場で、時給が1,121円の人の残業分の時給は1,401.25円ですが、円未満の端数を切り捨てて1,401円を基準にしても問題ないのです。
なぜなら、この程度の端数の切り捨ては労働者の不利とは考えられず、むしろ給与計算の事務負担を軽くするとされているのです。
残業代を自分で計算して実際の振込額と違う場合、勤務先が違法な残業代カットをしている可能性もありますが、端数処理の方法が違うだけかもしれません。気になる場合は、会社の就業規則で計算方法を確かめてみましょう。
文・大垣秀介(マネーライター)
編集・dメニューマネー編集部
(2023年3月7日公開記事)
【関連記事】
・「メルカリ活用術」断捨離しておこづかいを!
・ANAとJALの株主優待を徹底比較!おすすめはどっち?(外部)
・絶対避けたい!「老後破産」特集
・積立NISAを始めるタイミングは2023年がベスト?(外部)
・人気シリーズ「銀行員が教える」