最大32万円?家族が亡くなったときに申請すればもらえるお金

2023/03/12 11:00

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家族が亡くなると、葬儀や今後の生活など、お金のことが心配になる方もいるでしょう。しかし日本には、そうした遺族を守るためのさまざまな給付金制度があり、該当すればお金を受け取れるケースがあります。どんな制度があるのか、確認していきましょう。健康保険でもらえるお金故人が健康保険に加入していた場合、以下の給付金があります。埋葬

家族が亡くなると、葬儀や今後の生活など、お金のことが心配になる方もいるでしょう。しかし日本には、そうした遺族を守るためのさまざまな給付金制度があり、該当すればお金を受け取れるケースがあります。どんな制度があるのか、確認していきましょう。

健康保険でもらえるお金

故人が健康保険に加入していた場合、以下の給付金があります。

埋葬料…社会保険からの給付金で、被保険者に生計を維持されていた人には一律5万円、生計を維持されていた人がいない場合には実際に埋葬費用を支払った人へ、埋葬に要した費用(上限5万円)を支給。葬祭費…国民健康保険もしくは後期高齢者医療制度からの給付で3~7万円(市区町村により異なる)を支給。

埋葬費が受け取れるのは、被保険者に生計を維持されていた人で、親族である必要はありません。対象となる人がいない場合は、埋葬した人が申請可能です。一方、葬祭費を申請できるのは喪主である葬祭執行人で、市区町村によっては火葬許可証や死亡診断書などの提出が求められることもあります。

公的制度でもらえるお金

国民年金を収めていた人が亡くなった場合、故人と生計を共にしていた遺族には、遺族年金という給付金が支払われます。遺族年金には以下の3つがあり、条件によりどれかひとつを受け取ることが可能です。

寡婦年金…国民年金を10年以上納めていた夫が年金を受け取る前に亡くなった場合(2017年8月1日以降死亡の場合)、妻に年金の一部が支払われる

遺族基礎年金…子どものいる配偶者もしくは子どものみが対象(子どもが18歳になった年度の3月31までであるか、20歳未満で障害等級1級または2級の場合)

死亡一時金…被保険者が国民年金保険料を36ヶ月以上納めていた場合に支給

寡婦年金と遺族基礎年金に該当しない人は、36ヶ月以上国民年金保険料を納めているという条件のみの死亡一時金になるでしょう。死亡一時金でもらえる額は12~32万円と、保険納付月数によって異なります。寡婦年金と遺族基礎年金の額は、状況によりさまざまです。また、厚生年金や共済年金に加入していた場合、遺族基礎年金に加え遺族厚生年金を受け取ることができるでしょう。

勤務先からもらえるお金

故人が働いていた会社から、以下の給付金が受け取れることもあります。

慶弔金…会社の役員や従業員が亡くなったときに遺族に渡すお金
死亡退職金…受け取る予定だった退職金

慶弔金は故人のこれまでの功労に報いる目的で支払われます。対象は会社によりさまざまですが、役員や従業員だけでなくその家族にまで慶弔金が出る会社も多いようです。慶弔金の額は会社ごとに異なり、業務上の死亡かどうかによっても差があります。

それに対して死亡退職金は、故人が受け取るはずだった退職金を遺族の生活の足しにしてもらう目的で支払われます。また、勤務先から受け取るという側面では同じですが、弔慰金は原則非課税なのに対し、死亡退職金には相続税がかかり、税制上別の項目で処理できるのが特徴です。

ただし、これらが受け取れるがどうかは、会社が慶弔金や死亡退職金制度を導入していることが前提になります。導入していない場合は受け取ることができないため、まずは会社に確認する必要があるでしょう。

生命保険会社からもらえるお金

民間の保険に加入していれば、保険金を受け取ることもできるでしょう。どの生命保険であっても請求手続きが必要です。

生命保険に加入していて家族が受取人になっていた場合には、死亡保険金を受け取ることができます。受け取り方は契約内容により異なり、場合によっては課税対象になることもあるでしょう。

医療保険に加入していた場合は、死亡給付金の対象となる可能性があります。また、故人の医療費について医療保険の給付金が受け取れるケースもあるでしょう。

保険の内容はわかりにくい点も多いため、まずは保険会社に確認してみるのがおすすめです。

申請しなければもらえない点に注意!

上記のお金は、すべて申請しなければもらうことができません。家族を亡くした悲しみの中手続きするのは大変ですが、これからの生活のためにも忘れずに申請しておきましょう。

文・佐々木佐奈

(2023年3月12日公開記事)