「コンプラは大丈夫?」「コンプラ的にNG」といった言葉を、会社で働いている時のみならず、自宅でテレビを見ている時にも聞くようになりました。これは「コンプライアンス」を略した言葉ですが、これは日本語(漢字)ではどのように書くのでしょうか。
「コンプライアンス」が広まったきっかけ
コンプライアンスは英語で“compliance”と書きます。2000年代に企業の不正や偽装が相次いで発覚したことから、企業の倫理や姿勢が問われるようになり、この考え方が広がりました。
国立国語研究所「外来語」委員会は、コンプライアンスを「法令遵守」と言い換えることを提案しています。意味として「企業などが、法令や規則をよく守ろうとすること」と解説しています。
委員会は手引きの中で、企業内の部署や役職の名称に用いられることも多いが、言い換え語を用いて説明を付与することが必要な場合も多いと解説しています。
冒頭で紹介した「コンプラチェック」といった言い方は、企業の法務関連の部署やリーガルの専門家による確認のことを指します。
同委員会はなお、医師による服薬指示を守ることを指している場合は「服薬遵守」と言い換えることができるとも解説しています。
コンプライアンスは「法令遵守」
前出の委員会は、用例の中で「企業の法令遵守にかかる取組みを補完する」という文を示しています。
また、委員会は「法のコンプライアンス」など、文脈から何を遵守するのかが明らかな場合は、単に「遵守」と言い換えることができるとも示しています。
最近では、単に法律を守るという意味にとどまらず、道徳や社会規範、さらには関係者の利益やフェアな要求・要請に従うことも指すなど、幅広い概念になっているといえます。
ただし、コンプラが重視されるあまり、不祥事の際などに過剰な謝罪を求めたり、テレビ番組でも出演者がこの言葉を口にするなど、「忖度(そんたく)した番組作りでつまらなくなった」という声もあがったりしており、行き過ぎた風潮があることも問題視されています。
文/編集・dメニューマネー編集部
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