退職金で投資を始めようとする人もいるだろうが、間違ったやり方では、あっという間に資産が目減りしてしまうかもしれない。定年後の投資デビューで失敗する人には、3つの特徴がある。
特徴1 収支を見える化していないのに退職後すぐに投資を始める
定年後の収支を見える化しないまま、すぐに投資を始めるのはよくない。定年後はこれまでとはお金の流れが大きく変わり、予想よりも生活資金が圧迫されて大変な思いをすることがあるからだ。
具体的なお金の流れの変化としては、会社員の場合は給料が入らなくなるため、収入の柱は公的年金になる。自宅にいる時間が長くなることで、食費や光熱費が増えることもある。
現役時代のうちに定年後の収支をシミュレーションしておき、退職金が入ったらすぐに投資を始めるという選択肢もある。
しかし、定年後に実際に生活してみて、お金の流れを把握した上で投資額を決めるほうが、より安心だ。
特徴2 金融機関ですすめられた商品をそのまま買う
金融機関の人は、退職金が入るタイミングを狙って金融商品をすすめてくることがあるが、そのまま買うと相場が大きく下がった場合に、資産があっという間に目減りしてしまうかもしれない。
彼らは“運用のプロ”ではなく、あくまで“販売のプロ”だ。すすめられた商品をよく確かめると、手数料(金融機関の利益)が高い商品ばかりで、その中には投資初心者にとってはリスクが高い商品が含まれていることがある。
商品の仕組みやリスクを正しく理解し、よく理解できなければ安易に買わないほうがよい。
特徴3 退職金を一気に投資に回す
「短期間で資産を大きく増やそう」などと考えて、退職金を一気に投資に回すのもよくない。退職した時期が投資を始めるのに適した時期とは限らず、相場が下がったときは損失が大きくなるからだ。
定年後に大きな損失を出してしまうと、それを回復させるのは極めて難しい。
それまでに十分な投資経験を積んでいるならまだしも、投資未経験者が定年後に投資を始めるなら、複数の金融商品に少額ずつ(1万〜10万円など)分散投資するのが鉄則だ。
定年後の投資デビューで老後を台無しにしないように、冷静な運用を心がけよう。
文・廣瀬優香(フリーライター)
編集・dメニューマネー編集部
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