引っ越しするときに高額の退去費用を請求されるトラブルはいまだに多く、50万円以上を請求された人もいる。退去費用が高すぎて納得がいかないときの対処法は3つある。
対処法1 退去費用の内訳・明細を出してもらう
退去費用が正しく算出されていないことがあるので、内訳・明細は必ず出してもらおう。
そもそも退去費用はどのようなときに請求されるのだろうか。
借りた部屋を契約時の状態に戻すためにかかる「原状回復費用」は本来、入居するときに支払った敷金から支払われる。敷金が余れば手元に戻り、反対に敷金だけでは足りないときに、追加費用として「退去費用」が請求される。
しかし、敷金から原状回復費用が正しく差し引かれておらず、不当な退去費用を請求されている可能性もゼロではない。
対処法2 契約書もしくはガイドラインを確かめる
内訳や明細を見て「この項目を請求された理由が分からない」「この項目の費用が高すぎる」と感じた場合、入居時に締結した契約書を確かめよう。契約書には、退去時の費用負担について書かれていることが多いからだ。
たとえば、ハウスクリーニング費用は原則として大家が負担することになっている。しかし、特約として「ハウスクリーニングは借主負担とする。費用は一律3万円とする」のように書かれていれば、原則として入居者が負担しなければならない。
契約書に書かれていない場合は、国土交通省が公開している「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」をもとに、内訳・明細にある費用の負担割合が正しいかどうか確かめる必要がある。
対処法3 大家や管理会社に交渉する
対処法1と2を実践してなおおかしいと感じる部分があれば、大家や管理会社に質問・交渉しよう。
このときのポイントは、「納得がいかない」とだけ伝えるのではなく、内訳・明細や契約書などの内容をもとに、どこが矛盾しているのか指摘することだ。
実際に、高額な退去費用に対して交渉したことで、当初は十数万円請求された退去費用が数千円で済んだ人もいるという。
解決しなければ国民生活センターなどに相談を!放置はNG
交渉しても解決しない場合、消費者ホットライン(188)や、国民生活センター(03-3446-1623)などの無料相談窓口に相談しよう。専門の相談員が、解決に向けたアドバイスをしてくれる。
退去費用に納得がいかなくても、放置すると保証人に迷惑をかけていることになるので、早めに対処しよう。
文・廣瀬優香(フリーライター)
編集・dメニューマネー編集部
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