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サンリオ絶好調、株価ストップ高の理由は?セーラームーン、ちいかわコラボ

2023/03/27 07:00

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サンリオ <8136> が大幅上方修正を発表した。株価は翌3月17日に700円ストップ高、週明け20日も505円高まで買われる局面があり、2日間の上昇率は29%に達した。世界的なキティちゃんブームでサンリオが最高益を出していた2013年10月以来、10年ぶりの高値になる。好調な現状を紹介しよう。 経済リスタ

サンリオ <8136> が大幅上方修正を発表した。株価は翌3月17日に700円ストップ高、週明け20日も505円高まで買われる局面があり、2日間の上昇率は29%に達した。世界的なキティちゃんブームでサンリオが最高益を出していた2013年10月以来、10年ぶりの高値になる。好調な現状を紹介しよう。

経済リスタートで売上急回復 業績大幅上方修正

サンリオは3月16日、22年3月期第3四半期(4〜12月)決算を発表した。売上は34%増の516億円、本業の利益である営業利益は5.2倍の106億円と絶好調だった。

コロナでの行動制限が緩和され、秋以降はインバウンドの規制も緩和されたことから、国内物販、国内テーマパーク(東京サンリオピューロランド、大分ハーモニーランド)が急回復している。

国内売上は前年同期比27%増となった。インバウンド回復が続けば当面国内は好調が続きそうだ。海外の回復は国内をさらに上回る。海外売上の約6割を占める主力のアジアが売り上げ54%増、売り上げの約3割を占める米国が97%増と好調だ。

第3四半期の好決算をうけて2023年3月期通期の業績を大幅上方修正した。11月時点で会社が予想した売上高623億円から706億円へ83億円、本業の利益である営業利益を70億円から129億円に59億円へと上方修正を発表した。

好調けん引はコラボの「セーラームーン」や「ちいかわ」

好業績をささえているのはコラボ商品とライセンス事業だ。サンリオは「ハローキティ」など自社ブランドのIP(知的財産)にこだわらず、他社のIPとコラボする戦略をとっている。ハローキティ比率の高さが、収益拡大のネックにもなるとして、複数キャラクターを育てるためだ。

過去にも不二家の「ペコちゃん」、「ONE PIECE」、「ザ・シンプソンズ」など、世界観が異なるブランドともコラボを行ってきた。

今期は、「美少女戦士セーラームーンExternal」「ちいかわ」のコラボがヒットした。たとえば、セーラームーンのグッズについては、通常はバンダイナムコ <7832> のIPである。バンダイナムコとコラボすることで、セーラームーンとキティがセーラームーンのウェアを着た揃いのぬいぐるみを発売している。

キャラクター以外でも、アジアで鉄道会社、アイドル、人気ゲームなどとコラボしで売り上げを伸ばしている。自社キャラクターでは「NEXT KAWAII PROJECT」で世界にうけるかわいいキャラの開発に力を入れている。その成功例が「ぐでたま」だ。

ライセンス事業は、世界的に、アパレル、食品、玩具、ヘルス&ビューティーなどの分野で拡大している。ハローキティのライセンス食品は、お菓子、海苔、チーズ、など、国内にも、インバウンドにも好評だ。

収益拡大期待で10年ぶりの高値

サンリオはコロナによる行動制限で2021年3月期に赤字転落した。行動制限によるテーマパークの落ち込み、インバウンド減による物販、北米事業の赤字が苦戦の原因だった。

2021年5月に中期経営計画を策定して、2024年3月期を第2の創業とするリストラ計画を進行中。物販ではグローバルでの商品共通化、商品点数削減。グローバルライセンス事業の強化などを含む構造改革だ。

行動制限の緩和でテーマパークは黒字化。国内物販、米国事業については1年前倒しで黒字を達成している。

2010年代のキティブーム時のサンリオ高値は2013年9月の6270円だ。過去最高の営業利益額は2014年3月期の210億円だ。3月23日終値は5650円で10年ぶりの高値となっている。

今期の営業利益予想は129億円。現在の好調な株価はサンリオが来期も成長することを期待しているのかもしれない。

文/編集・dメニューマネー編集部
画像・©n / cc   ⓒ’22 SANRIO 著作(株)サンリオ

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