グーグル、アクセンチュア……米国で大規模リストラ続く 日本の大企業も早期退職を募集

2023/03/25 10:00

コンサルティングの米アクセンチュアが全社員の2.5%にあたる1万9000人をリストラすることが報じられたが、ほかにもグーグルやメタ、インディードなど、米国の大手企業で人員削減が進んでいる。日本でも早期・希望退職を募る企業が増えており、大企業では募集人数を超える人が応募している。早期退職は退職金が増えるものの、注意すべき

コンサルティングの米アクセンチュアが全社員の2.5%にあたる1万9000人をリストラすることが報じられたが、ほかにもグーグルやメタ、インディードなど、米国の大手企業で人員削減が進んでいる。日本でも早期・希望退職を募る企業が増えており、大企業では募集人数を超える人が応募している。早期退職は退職金が増えるものの、注意すべき点も少なくない。

GAFAMなどでもリストラが進む

アクセンチュアのリストラの対象は事務や管理の部門の社員で、今後18ヵ月にかけて削減するという。

同社に限らず、米国の大手企業では人員削減と合理化が進んでおり、GAFAMと呼ばれるテックジャイアンとも例外ではない。Googleの親会社アルファベットや、Microsoftはいずれも1月に従業員の削減計画を発表している。両者とも削減する人員数は1万人を超えるとみられ、いずれも全世界の従業員の5〜6%に相当するようだ。

1月に1万8000人規模のリストラを発表したAmazonも、3月に入って追加で9000人の削減計画を公表したばかり。

またFacebookやインスタグラムを運営するメタ・プラットフォームズは、全従業員の約13%の約1万1000人をリストラしている(なおGAFAMの一角であるAppleについては、こうした大規模な削減計画は報じられていない)。

このほかにも、日本のリクルートホールディングス <6098> のアメリカ子会社で、求人サイトを運営しているインディードも、社員を2200人削減すると最近発表したばかりだ。

富士通やフジテレビなど日本でもリストラ進む

アメリカでは大規模なリストラが進むが、日本ではこうした大規模な人員削減は進んでいない。というのも、日本では、労働契約法や判例によって従業員が守られているからで、よほどの理由がないと解雇が無効と判断されるからだ。

そのかわりの施策として、企業は、退職金を割り増すことなどをセットにした早期退職の希望者を募る。

コロナ禍でも早期退職者を募った企業は少なくない。2021年に報じられた大手企業では、博報堂DYホールディングスやフジ・メディア・ホールディングスなどがあり、傘下の事業会社(フジテレビなど)で早期退職者を募集している。

2022年には富士通やJT、アステラス製薬などが募集している。いずれも募集人数よりも、実際に応募した人の数のほうが多かったようだ。特に富士通は3000人以上が応募したと報じられている。3000人を超える大規模な希望退職は2016年の東芝以来だったという。

早期退職を考えるなら忘れてはいけないこと

早期退職のメリットとして、退職金が多くもらえたり、転職支援が受けられたりすることがあるものの、当然ながら注意点も少なくない。

まず安定した収入がなくなるため、次の就職先や生活資金のあてがないと、貯蓄や退職金を取り崩さなければいけなくなる。

長年、サラリーマンとして毎月給料をもらってきた人は、一時的に退職金で貯蓄が増えても、毎月の入金が途絶えることによる心理的な影響もあるだろう。転職先がなかなか決まらず無職期間が長引く可能性もあることは覚えておきたい。

また、無職や個人事業主の期間が長くなれば、その期間は厚生年金を払わなくなるため、年金の受給額も減ってしまうことも忘れはいけない。

早期退職を募るということは、勤め先の状況がよいとは言えないのは間違いないだろう。しかし、もらえる退職金が割増になること以上のデメリットが生じるかもしれないことをしっかり踏まえて、慎重に検討したい。

文/編集・dメニューマネー編集部

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