退職金というまとまった資金を投資する際、間違うと老後の生活が苦しくなる。やりがちな失敗と、効率的な運用のポイントをおさえておこう。
定年後に投資で失敗する人の特徴
退職金で投資を始めようとする人もいるだろうが、間違ったやり方では、あっという間に資産が目減りしてしまうかもしれない。定年後の投資デビューで失敗する人には、3つの特徴がある。
退職金を一気に投資に回す
「短期間で資産を大きく増やそう」などと考えて、退職金を一気に投資に回すのもよくない。退職した時期が投資を始めるのに適した時期とは限らず、相場が下がったときは損失が大きくなるからだ。
定年後に大きな損失を出してしまうと、それを回復させるのは極めて難しい。 それまでに十分な投資経験を積んでいるならまだしも、投資未経験者が定年後に投資を始めるなら、複数の金融商品に少額ずつ(1万〜10万円など)分散投資するのが鉄則だ。
金融機関ですすめられた商品をそのまま買う
金融機関の人は、退職金が入るタイミングを狙って金融商品をすすめてくることがあるが、そのまま買うと相場が大きく下がった場合に、資産があっという間に目減りしてしまうかもしれない。
彼らは“運用のプロ”ではなく、あくまで“販売のプロ”だ。すすめられた商品をよく確かめると、手数料(金融機関の利益)が高い商品ばかりで、その中には投資初心者にとってはリスクが高い商品が含まれていることがある。
商品の仕組みやリスクを正しく理解し、よく理解できなければ安易に買わないほうがよい。
理想の退職金運用とは?運用のポイントと運用方法
退職金を手にして「いざ運用を始めよう」と思っても、どんな商品を選んでどうやってお金を増やしていけばいいのか迷ってしまうかもしれない。運用に失敗して老後の大切な資金を減らしてしまうことがないよう、ポイントを押さえておきたい。
「攻め」より「守り」
お金を積極的に増やすことよりも、減らさないことを重視するのが鉄則だ。投資では、高いリターンを得るためには高いリスクがともなう(ハイリスク=ハイリターン)。
退職金は減ると困るお金だし、もし運用に失敗したとき充分に挽回できるだけの投資期間が取りにくいため、リターンは少なくても極力リスクを抑えた「ローリスク=ローリターン」な運用がよい。
退職金の運用方法3選
リスクを抑えつつ運用できる、退職金の運用に向いている金融商品が3つある。リスクが低い順に並んでいる。
1.定期預金……満期まで預金すれば普通預金よりも金利が高くなる。元本保証ありで安心。
2.個人向け国債……日本(国)が発行している債券。最低金利保証(年0.05%)あり。
3.投資信託……投資家から集めたお金をプロが運用する仕組み。低リスクから高リスクまで選べる。
どれか一つに絞る必要はないので、「50%は定期預金、30%は個人向け国債、20%は投資信託」など自分の希望に合わせて組み合わせてみてほしい。
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理想の退職金運用とは?運用のポイントと運用方法3選
文/編集・dメニューマネー編集部
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