投資で資産を増やしたい

2ヵ月連続ネット銀上場──住信SBIネット銀、楽天銀の人気は?【IPO】

2023/03/29 07:00

大手ネット銀行の上場が続く。住信SBIネット銀行が東証スタンダード市場に3月29日、楽天銀行が東証プライム市場に4月21日にIPO予定だ。世界的な金融システム不安で銀行株が売られているだけに、どのように評価されるかに注目が集まる。買うべきか?買うならどっちだ? ネット銀が上場する理由とは 日本初のインターネット銀行が誕

大手ネット銀行の上場が続く。住信SBIネット銀行が東証スタンダード市場に3月29日、楽天銀行が東証プライム市場に4月21日にIPO予定だ。世界的な金融システム不安で銀行株が売られているだけに、どのように評価されるかに注目が集まる。買うべきか?買うならどっちだ?

ネット銀が上場する理由とは

日本初のインターネット銀行が誕生したのは2000年のジャパンネット銀行(現・PayPay銀行)である。それから20年以上が経過し、ネット専業銀行が東証に初めて上場する。

3-4月に上場するのは、SBIグループの子会社で2位の住信SBIネット銀行 <7163> と、楽天グループの子会社で、預金残高でネット銀トップの楽天銀行 <5838> だ。

2022年12月末で比較すると、楽天銀行の預金残高が8兆8469億円。住信SBIネット銀行が7兆9122億円。預金量では地銀の中堅に相当する。

ネット銀が今後も期待されるのは?

ネット銀行は、対面店舗を持たないため運営コストが低い。その分、預金金利を優遇し、住宅ローンなど貸出金利を下げることで拡大してきた。

また、最大のメリットは、他のデジタル金融サービスとのシナジー効果が高いことだ。例えば楽天グループでは、銀行、証券、電子商取引、ポイントプログラムなどの連携性で楽天経済圏を築いている。キャッシュレス経済の進展で今後もネット銀の地位は高まることが期待される。

上場時の時価総額、バリュエーションの比較

3月20日に決定した住信SBIネット銀行の公募価格は、世界的な銀行不安から想定発行価格(1200〜1260円)の下限1200円に決定した。

住信SBIネット銀行 <7163> は、上場日は3月29日予定。公募価格1200円での時価総額1800億円。2023年3月期のPERは会社予想ベースで9.3倍。

楽天銀行<5838>は、公募価格の決定日は4月13日。想定価格は1630 〜1960円。上場日は4月21日予定。想定価格での時価総額は2770億円〜3330億円。予想PERは10.0〜12.1倍になる。

2行とも割安さは無いが、銀行セクターの成長株として期待

東証の銀行セクターは、PER9.5倍、PBR0.34倍、予想配当利回り3.67%だ(3月24日時点)。銀行セクターは成長株ではなく割安株とされている。両ネット銀はPERでは特別な割安感はない。

しかし、ネット銀は普通銀行より成長性が見込める。

今回のIPO時の資料では、楽天銀行 <5838> は今期予想の経常利益は377億円。4年後の27年3月期には700億円の86%増と高い伸びを見込んでいる。住信SBIネット銀行も、23年3月期の予想経常利益290億円に対し、2年後の25年3月期には400億円の38%増を見込んでいる。

銀行セクターの中での成長株と考えれば投資対象としては魅力がありそうだ。また、今後発表するだろう、配当政策や株主優待も気懸かりだ。

金融不安が落ち着きそうな4月上場の楽天銀行が狙い目?

米国地銀破綻、クレディスイスの経営不安と、世界の金融セクターはシステム不安で短期的には下落局面にある。短期的には、信用関連のニュースで乱高下する可能性も高い。狙い目はニュースが落ち着く4月下旬を予定する楽天銀行だろうか。

文/編集・dメニューマネー編集部

【関連記事】
「メルカリ活用術」断捨離しておこづかいを!
ANAとJALの株主優待を徹底比較!おすすめはどっち?(外部)
絶対避けたい!「老後破産」特集
積立NISAを始めるタイミングは2023年がベスト?(外部)
人気シリーズ「銀行員が教える」