「親の認知症」で起きる3つの金銭トラブル お金が引き出せず生活がピンチに

2023/03/28 18:00

親が認知症になったことで思わぬ金銭トラブルに巻き込まれ、家族の費用負担が増えてしまう場合もある。よくあるお金のトラブルと対処法を見てみよう。 トラブル1 お金の管理が正しくできなくなる 認知症になると、記憶障害により生活費をすぐに使い切ってしまったり、欲求をコントロールできずに高額な商品を買ってしまったりと、お金の管理

親が認知症になったことで思わぬ金銭トラブルに巻き込まれ、家族の費用負担が増えてしまう場合もある。よくあるお金のトラブルと対処法を見てみよう。

トラブル1 お金の管理が正しくできなくなる

認知症になると、記憶障害により生活費をすぐに使い切ってしまったり、欲求をコントロールできずに高額な商品を買ってしまったりと、お金の管理が正しくできなくなることがある。

だからといって親のお金を子供である自分が管理しようにすると、親の自尊心を傷つけてしまう。「生活費を1ヵ月ごとではなく1週間ごと渡す」「小銭を入れた財布だけでも持ってもらう」のような工夫が必要だ。

また、財布を誰かに盗まれたと思い込む“物盗られ妄想”も症状として現れることがある。

この場合も親を否定するのではなく、「大変だったね」など共感し、財布が見つかれば「見つかってよかったね」とポジティブな声をかけることが大切だ。

トラブル2 特殊詐欺や悪質商法の被害にあう

高齢者の中でも、特に判断力が下がっている認知症の人は、電話勧誘や訪問勧誘による詐欺被害にあいやすい。家族が異変を感じたときには、手遅れになっていることも多い。

被害にあわないためには、家族が定期的に声がけするのは大切だが、それだけでは完全に防げない。「電話を日頃から留守番電話に設定にしておく」「玄関や郵便受けに“訪問販売お断り”のステッカーを貼っておく」といった対策もしよう。

トラブル3 親の預金を引き出せなくなる

口座の名義人が認知症になったことを銀行に伝わると、口座取引が制限され、家族であっても親の預金を引き出せないことがある。そうなると、親の医療費や介護費は家族が立て替えなければならない。

こうした事態を避けるための対策として、親が元気なうちに「任意後見制度」を使い、親の財産の管理などを任せる人をあらかじめ指定しておくとよいだろう。

既に認知症になっている場合は、「法定後見制度」で代理となる成年後見人をたてられるが、手続きには通常1〜2ヵ月、場合によっては3〜4ヵ月ほどかかることもある。早めの対応が必要だ。

文・廣瀬優香(フリーライター)
編集・dメニューマネー編集部

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