「空き家税」が誕生?空き家にかかるお金は今後高くなる【負動産】

2023/03/30 07:00

全国で初めて、京都市で「空き家税」が2026年度に導入される見通しです。空き家をそのままにしていると、税金が増えたり、最悪の場合は損害賠償を求められたりと、さまざまな問題が生じます。 空き家の問題1 税金や保険料が高くなることがある 住んでいない家を空き家のままにしていると、住んでいる家と比べて固定資産税が高くなる場合

全国で初めて、京都市で「空き家税」が2026年度に導入される見通しです。空き家をそのままにしていると、税金が増えたり、最悪の場合は損害賠償を求められたりと、さまざまな問題が生じます。

空き家の問題1 税金や保険料が高くなることがある

住んでいない家を空き家のままにしていると、住んでいる家と比べて固定資産税が高くなる場合があります。

冒頭でも触れたように、京都市が空き家税の導入を目指しており、最近、総務大臣がこれに同意したばかりです。早ければ2026年に始まる見込みで、上乗せされる税率は家屋で0.7%、土地で0.15%~0.6%です。

このほかにも神戸市では、管理を怠っている空き家や取り壊し予定の空き家の固定資産税が最大6倍まで上がります。これは、住宅用地特例が適用されないことがあるためです。

住宅用地特例は、住宅用地(住宅の敷地)の税負担を軽くするという特例ですが、倒壊のおそれがある場合などは、この住宅用地特例が適用されません。特例が適用されないのは、原則として特定空家と認められた場合に限りますが、神戸市の条例は、特定空家以外にも適用範囲を広げて、税金を高くするというものです。

また、空き家は火災保険の保険料が高くなる可能性があります。一般に火災保険の保険料は、物件の種別によって「工場」や「倉庫」、人が住む「住宅」(戸建て、マンション)と、店舗や事務所などを含む「一般」などに分かれています。空き家は物件の状況によっては火災保険の加入そのものを断られたり、「住宅」ではなく「一般」の料率が適用されたりして割高になるのです。

また空き家の瓦や窓ガラスなどが飛んで誰かに怪我を負わせたような場合、火災保険だけでは補償されません。個人賠償責任特約を付けておかなければいけないので、その分、保険料も高くなります。

空き家の問題2 傷みやすく価値が下がる

空き家は換気もされず、草木が生い茂ったままのため、急速に傷んで資産価値が下がります。売ろうとしても買い手がつきにくく、税金や保険料を払い続けるだけの“負動産”になる可能性が高いです。

管理を怠ったことが原因で空き家が倒壊し、隣家や通行人に損害を与えた場合は、損害賠償を求められることもあります。

ある試算によると、空き家が倒壊して隣の家が全壊し、そこに住む家族3人がなくなった場合、損害額は2億円に上るといいます(日本住宅総合センター)。

空き家は早めの処分や有効活用を

国は空き家対策を強化しており、2023年度以降はこれまで住宅用地特例が適用されていた空き家でも特例から除外され、固定資産税が大幅に上がるかもしれません。

空き家はそのままにせず、売る、貸す、住むなど活用したほうがよいでしょう。それまでは周囲に迷惑をかけないよう、しっかり管理すべきです。

文・北川真大(ファイナンシャル_プランナー)
編集・dメニューマネー編集部

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