安いはずの「電気自動車」の3つの問題 補助金があっても高く付く?

2023/03/31 07:00

電気自動車を買うと国や自治体から補助金がもらえますが、補助金のことを考えてもガソリン車やハイブリッド車より高いだけでなく、電気自動車には3つの注意点があります。 電気自動車の注意点1──充電スタンドが少なく充電に時間がかかりすぎる 日本は電気自動車の充電スタンドが少ないのが現状です。日本の充電スタンドは2022年3月末

電気自動車を買うと国や自治体から補助金がもらえますが、補助金のことを考えてもガソリン車やハイブリッド車より高いだけでなく、電気自動車には3つの注意点があります。

電気自動車の注意点1──充電スタンドが少なく充電に時間がかかりすぎる

日本は電気自動車の充電スタンドが少ないのが現状です。日本の充電スタンドは2022年3月末時点でおおよそ2万ヵ所しかなく、5万5,000店以上あるコンビニの4割程度です。

急速充電可能な充電スタンドは原則1回30分の利用と決められていますが、30分では満タンになりません。また、充電中の車がいる場合は充電時間に加えて待ち時間も必要です。

電気自動車の注意点2──気温や暖房の使用有無によって航続距離が変わる

電気自動車の航続距離はあくまでカタログ値であり、気温や使用状況によって変わります。特に注意しなければいけないのは冬場の利用です。

バッテリーを暖めるために電力を使うだけでなく、暖房でも電力を消費するので航続距離が短くなります。もし大雪で車の立ち往生が発生した場合、暖房の使い方によっては走行できるまでに電池切れを起こすこともあります。

電気自動車が電池切れになると、原則として充電スタンドまでJAFに搬送してもらうしかありません。

電気自動車の注意点3──中古価格が下がりやすい

電気自動車はガソリン車と異なりバッテリーの劣化が考えられるため、中古価格は下がりやすいです。なかには購入してからたったの3年で4割未満の価値になる車もあります。

ガソリン車やハイブリッド車では新車購入から3年経っても50~60%の価値が残ることがあるため、電気自動車は中古車市場で冷遇されています。

本当に環境に優しいかは走行距離や発電方法による

電気自動車は環境に優しいイメージがありますが、本当に環境に優しいかは走行距離によって変わります。

電気自動車がガソリン車より二酸化炭素排出量を抑えるには、11万キロ以上走らなければいけないという調査結果もあります(ライフサイクルCO2排出量、ボルボが2021年調査)。

発電方法によって二酸化炭素の排出量は変わりますが、火力発電が主力の日本では、電気自動車を環境のために導入するのは早すぎるかもしれません。

文・北川真大(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部

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