「お金をもらえる」という気持ちにつけ込む還付金詐欺が横行していますが、所得税の還付金詐欺ではSNSを使った手口もありますが、どのような手口があるのでしょうか。お金を失わないために、親や子供に次のことを伝えておきましょう。
手口1 偽りの確定申告書を作って手数料をだまし取る
SNSなどで「所得税の還付金を受け取れる」とうたい、偽りの確定申告書を作って手数料をだまし取る詐欺で被害が増えてきています。
しかし、確定申告書の作成や提出は、誰でもできるわけではなく、本人以外では税理士しかできません。業者がいくら「合法」だと強調しても、税理士資格がないのに他人の確定申告の書類を作ることは、そもそも法律違反です。
怪しいと感じたら、税理士かどうか尋ね、税理士でないなら詐欺を疑って良いでしょう。税理士を名乗るなら、日本税理士会連合会のWebサイトで検索し、登録がなければ税理士をかたっていると分かります。
手口2 税務署の職員を名乗りお金を振り込ませる
電話で税務署の職員を名乗り、還付金や過払い金があると伝え、ATMでお金を振り込ませる手口があります。
いきなり「還付金がある」と言われても引っ掛からないと思うかもしれませんが、詐欺師の手口は巧妙です。
まず「還付金の案内は届いていませんか?」と尋ね、大切な書類を見落としたかもしれないという不安をあおります。その上で「払い戻しには期限がある」と言われると、焦ってATMに向かってしまう高齢者も多いのです。
しかし、所得税は自分で計算する税金なので、税務署が還付金を知らせてくることはありません。税金には、自動車税や固定資産税などの国や自治体が計算する税金と、所得税や相続税などの本人が自分で計算する税金の2つがあると知っておきましょう。
怪しいと感じたら、一度電話を切って、地域の税務署の電話番号を調べて掛け直してみてください。
親に伝えるときは「詐欺に気を付けて」と言うとプライドを傷つけることがあるので、「こんな手口もあるらしい、怖いね」といったように、世間話や時事ネタの一つとして話すと良いでしょう。
詐欺を防ぐため日頃からコミュニケーションを
日頃から家族でコミュニケーションをとることが、詐欺を防ぐこと、被害を最小限に抑えることにつながります。
「親に怒られる」「わが子に呆れられたくない」といった気持ちで、詐欺に遭ったことを言い出せず、お金を工面するため別の詐欺に遭ってしまうケースもあります。
子供や高齢の親には「怪しいと思ったときはいつでも相談してほしい」と伝えるとともに、日頃から困ったときに助け合える関係性を作っておきましょう。
文・木崎 涼(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部
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