給料は「何時までに」振り込まれないと違反なのか 賠償請求できる?

2023/04/01 10:00

給料は「毎月決まったタイミングで会社が労働者に払う」と法律で決まっていますが、給料日の何時までに振り込むのか、時間も法律で決まっているのでしょうか。その時間を過ぎたら法律違反になって、会社に遅延損害金を請求できるのでしょうか。 給料は給料日の午前10時頃までに引き出せる必要がある 「給料は給料日の午前10時頃までに引き

給料は「毎月決まったタイミングで会社が労働者に払う」と法律で決まっていますが、給料日の何時までに振り込むのか、時間も法律で決まっているのでしょうか。その時間を過ぎたら法律違反になって、会社に遅延損害金を請求できるのでしょうか。

給料は給料日の午前10時頃までに引き出せる必要がある

「給料は給料日の午前10時頃までに引き出せるようにすること」という行政通達があるので、給料日の午後に着金したときはこの通達に反します。

ただし、これはあくまで通達であって法律ではありません。法律違反なら罰金や懲役刑を課される場合がありますが、行政通達に違反した場合は一般的に労基署による行政指導の対象になりますい。

給料は「全額を月1回以上、一定の期日に払う」ことが労働基準法で決まっているので、給料日に払わなければ法律違反ですが、振り込む時間について定めはありません。そのため、給料日の何時に振り込んでも労働基準法違反にはならないわけです。

給料の支払いが遅れたら年利3%で遅延損害金を請求できる

給料を給料日に払えば法律違反になりませんが、1日でも遅れれば従業員は年利3%で遅延損害金を請求できます。

たとえば、月給20万円の人なら、振込が5日遅れた場合、請求できる遅延損害金は「20万円×3%×5日÷365日=82円」です。

既に退職していて賃金の未払いがある場合は、年利3%ではなく年利14.6%で計算します。もしも給料の入金遅れや未払いがある場合は、遅延損害金をいくら請求できるか計算してみましょう。

会社員の給料だけでなく、個人事業主が取引先から受け取る売上金も、振込が遅れれば遅延損害金を請求できます。契約で遅延損害金について定めていない場合でも請求は可能です。

本来振り込まれるはずだった給料や売上の金額が大きい場合や遅延期間が長い場合は、請求できる金額が大きくなることがあります。振込が遅れた場合はいくら請求できるか、計算して確かめておきましょう。

文・大垣秀介(マネーライター)
編集・dメニューマネー編集部

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