「ブックビルディング(方式)」投資家の需要に応じて公開価格などが決まる手法

2023/04/06 19:00

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ブックビルディング(方式)とは、株式や新株予約権付社債(CB)などを売り出す際に、その価格を投資家の需要に応じて決める方式です。一般的に「需要積み上げ方式」と呼ばれています。 公開価格や売り出し価格を需要調査で決める 証券取引所に新たに株式を上場させる新規公開株の公開価格や、既に上場をしている会社が株式を売り出す時、価

ブックビルディング(方式)とは、株式や新株予約権付社債(CB)などを売り出す際に、その価格を投資家の需要に応じて決める方式です。一般的に「需要積み上げ方式」と呼ばれています。

公開価格や売り出し価格を需要調査で決める

証券取引所に新たに株式を上場させる新規公開株の公開価格や、既に上場をしている会社が株式を売り出す時、価格を決める際に使われています。また、CBを売り出す時、転換価格(株式に変えるときの株価)を市場の価格から何%上にするかを決める際にも使われます。

たとえば、公開価格を決めるには、公開手続き行う幹事証券が機関投資家などに、公開会社の価値を同業他社の株価水準などをもとに評価をしてもらいます。

その評価をもとに、見合った株価の価格帯を仮条件として決めます。その後、仮条件の範囲内で投資家が買いたいと思う価格で需要を申し出て、その需要状況をもとに公開価格を決めます。

1997年8月以前は「入札方式」が主流

1997年8月までは、公開価格を決めるのに「入札方式」が主流でした。

入札方式は、一般投資家が自分の購入希望価格で入札しますが、中には人気の高い新規公開株を確実に手に入れるために、高値で入札を行う一般投資家がいたため、公開価格が企業の価値以上の割高な水準で決まり、上場後に価格が大きく下がることもありました。そのような動きが続けば、新規公開株の売買高が減り、公開会社は資金をうまく調達できなくなる可能性が出てきます。

そこで1997年9月から、ブックビルディング(方式)の採用が始まり、整合性のある価格が付けられるようになりました。現在では、この方式は国内外で用いられています。【お金の単語帳】