退職・老後が近い

50代がイデコの受け取りに向けて「失敗しない」商品選びの4つのポイント【連載・第1回】

2023/04/08 08:00

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iDeCoは60歳以降に受け取りが始まるため、50代では資産を減らさないための運用に切り替える必要がありますが、「元本確保型」だけで運用すると資産が目減りするので要注意です。次の4つの点に注意しましょう。 1 受け取りまで10年を切ったら国内債券の割合を高める iDeCoの受け取り開始まで10年を切ったら、安定した運用

iDeCoは60歳以降に受け取りが始まるため、50代では資産を減らさないための運用に切り替える必要がありますが、「元本確保型」だけで運用すると資産が目減りするので要注意です。次の4つの点に注意しましょう。

1 受け取りまで10年を切ったら国内債券の割合を高める

iDeCoの受け取り開始まで10年を切ったら、安定した運用を維持するために国内債券の割合を高めるようにしたほうがよいでしょう。なぜなら、50代で資産が大きく値下がりすると、受け取り開始までに回復させるのが難しいからです。

たとえば注意すべきなのは、新興国債券などの値動きの激しい資産です。そうした資産で運用すると、値下がり時の損失が大きくなりがちです。

残された運用期間が短くなったら守りの資産であり、為替リスクのない国内債券の比率を高めていきましょう。

2 将来の物価上昇分は運用益が得られるようにする

50代のiDeCoの運用は安定を重視すべきですが、将来の物価上昇分の運用益を得ることも意識すべきです。なぜなら、年金生活で収入を増やすは難しいことと、最近は物価が大きく上昇しているからです。

物価が上がり続けるとお金の価値は下がります。iDeCoで準備した金額が、期待したほど生活の足しにならないかもしれません。

大きな利益を狙う必要はありませんが、最近の物価上昇率から年利2%程度の運用益を目標にするとよいでしょう。

3 商品選びに自信がなければバランスファンドを活用する

今まで定期預金などの元本確保型で運用していた人などで投資信託の選び方が分からなければ、バランス型ファンドでの運用も1つの方法です。

バランス型ファンドは、株式や債券など複数の資産や地域に分散投資する投資信託です。一般的に「積極運用型」「安定型」などリスクによって商品が細分化されています。

安定的な運用を希望する場合、商品名に「安定型」「債券重視型」などの文言が付いているバランス型ファンドを選ぶとよいでしょう。

4 元本確保型100%では資産が目減りする

「資産を減らしたくない」からといって、定期預金などの元本確保型100%で運用すると、かえって元本割れします。なぜなら、iDeCoでは加入者が毎月最低でも171円の手数料を負担しなければならないからです。

定期預金の金利が0.002%だとすると、元本が300万円なら年間の利息は60円です。多くの場合、手数料を利息が手数料を下回ると考えられます。

iDeCoの掛金は全額所得控除の対象になるので、定期預金であってもその節税メリットの恩恵は受けられます。また、50歳以降の安定運用のために一定割合を定期預金で持つことも有益な方法です。

ただし、物価上昇分程度の利益を見込んで運用すれば、老後の資産が長持ちすることも知っておきましょう。

文・松田聡子(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部

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