“タダ働き”のサービス残業は、あくまで残業なので会社が残業代を払う必要があります。実際に会社に請求したら、支払ってもらえるのでしょうか。また、どうやって計算すればよいのでしょうか。
会社員は月給から時給換算額を求めて残業代を計算する
残業代の計算は、通常の賃金より割増されるのが一般的で、会社員の場合は、月給から時給を出して割増率をかけます。割増率は、25%が基本で、休日は35%、1ヵ月の労働時間が60時間を超えたら50%などと決まっています。休日の深夜だと60%割増にもなります。
たとえば月給32万円の場合、定時で仕事を終えたときの労働時間が8時間・月の勤務日数が20日なら時給は2,000円です(160時間で給料32万円のため)。割増率が25%なら残業1時間につき2,500円です。
1ヵ月毎日、残業を2時間していたら、残業代は40時間×2,500円で10万円。それが1年間続いていたら、会社に120万円請求できます。
未払残業代を請求するには証拠が必要
会社に未払いの残業代を請求する場合、サービス残業をした「証拠が必要」です。証拠がない場合は、残業代を請求することは難しいかもしれません。
対策としては、タイムカードやパソコンの勤怠報告で勤務時間をしっかりと記録するなどが挙げられます。こうした仕組みがないなら、ビルの入退館時間のデータを証拠として使えることがあります。
タイムカードの場合、退勤を打刻した後に残業をしていると、残業時間が記録でつかないので証拠としては使えません。そういった場合は、仕事の電話をしたときの通話記録や上司とやり取りしたメールを保存しておくなどの方法で証拠を残すのが有効といえます。
また、コロナ禍の影響でリモートワークの導入が進み、自宅で残業した場合は、始業・終業が分かるようにメモを残したり、業務日報を作成して記録として残したりする方法が考えられます。
未払残業代を請求できるのは3年以内
また、サービス残業の分を会社に請求できるのは3年以内です。
3年経つと時効が成立して、残業代を請求する権利はなくなって払ってもらえなくなるので、未払残業代がある場合は早めに請求しましょう。
文・大垣秀介(マネーライター)
編集・dメニューマネー編集部
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