退職・老後が近い

入れ歯を作るのにかかる費用は?保険はきくのか?

2023/04/14 10:00

歌手の天童よしみさんが女性誌のインタビューで「入れ歯」をしていないことを語っていたが、もし入れ歯を作るとしたら費用はいくらかかるのか。 国は、「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という“8020運動”を行っているが、実際にはどれくらいの人が入れ歯をしているのだろうか。 入れ歯をしている人の割合は年代によって差

歌手の天童よしみさんが女性誌のインタビューで「入れ歯」をしていないことを語っていたが、もし入れ歯を作るとしたら費用はいくらかかるのか。

国は、「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という“8020運動”を行っているが、実際にはどれくらいの人が入れ歯をしているのだろうか。

入れ歯をしている人の割合は年代によって差がある

入れ歯の種類は2種類で、歯が1本も残っていない人向けの「総入れ歯」と、それ以外の人向けの「部分入れ歯」がある。

入れ歯を使っている人の割合は年代によって差がある。

天童さんと同じ年代の65〜69歳で、部分入れ歯をしている人の割合は31%、総入れ歯の割合は8.9%だ(2016年、厚労省。以下同じ)。

80歳時点の歯の数の平均は約17本。80歳で自分の歯が20本以上ある人は51.2%だという(65〜74歳では68.9%、85歳以上では25.7%)。

8020の根拠は、親知らずを除いた28本 の歯のうち、20本以上自分の歯があれば、 ほとんどの食物を噛みくだけて、おいしく食べられるということだそうだ。

なお、部分入れ歯は若い世代でも利用者はおり、35〜40歳の1.6%の人がをつけている。

予防歯科の考え方が広まり、こまめにメンテナンスに通う人が増えたため、入れ歯をしている人の割合は年々減ってきている。

入れ歯の治療費は「保険診療」か「自費診療」かで大きく変わる

入れ歯は自費診療だけでなく保険診療でも作れるが、保険診療では使える材質が限られる。具体的にどんな違いがあるのだろうか。

保険診療の場合

保険診療の場合、総入れ歯はすべてプラスチック。部分入れ歯の材質は、ほとんどがプラスチックで、自分の歯に掛けて入れ歯を安定させるためのフックは金属製だという。

いくつかの歯科クリニックの情報をもとにすると、部分入れ歯の費用相場は5000~15000円、総入れ歯は上下セットで1〜2万円だ(3割負担の場合)。

保険診療のメリットは費用を抑えられることだが、使える材質が限られていて違和感を感じやすいというデメリットもある。

自費診療の場合

自費診療で作れる入れ歯の形や材質はさまざまだ。例として、金属フックがない部分入れ歯や、歯ぐきに触れる部分がプラスチックではなく金属やシリコンでできた総入れ歯がある。

部分入れ歯・総入れ歯の費用相場は、15〜80万円だ。これはあくまでも相場で、歯医者や入れ歯の種類によっては100万円を超えることもある。

自費診療の入れ歯は、使える材質に制限がないため違和感が少ないものが多いが、やはり費用が高い。

3Dプリンターを使った入れ歯も登場

3Dプリンターを使った入れ歯など、最新技術も登場している。入れ歯の形状データを無料でクラウド保管し、入れ歯を破損・紛失したときにデータをもとに作り直す仕組みだ。

ただ、「入れ歯をしていると味が分かりづらくなる」「入れ歯の汚れが原因で認知症のリスクが高まる」とされていて、入れ歯がないに越したことはない。自分の歯を残すため、日頃のケアをしっかりしたい。

文・廣瀬優香(フリーライター)
編集・dメニューマネー編集部

【関連記事】
「メルカリ活用術」断捨離しておこづかいを!
ANAとJALの株主優待を徹底比較!おすすめはどっち?(外部)
絶対避けたい!「老後破産」特集
積立NISAを始めるタイミングは2023年がベスト?(外部)
人気シリーズ「銀行員が教える」

記事制作者