子供が巣立ち、夫婦二人きりで穏やかで幸福な老後を……と思っていたのに、待っていたのはギスギスした生活、という人も少なくありません。いったいなぜ、そのような事態に陥ってしまったのでしょうか。もしかしたら、ある「言動」に原因があるのかもしれません。今回は、子供が巣立った後にやってはいけない5つのNG行為を紹介します。
相手に感謝の気持ちを伝えない
「連れ添って長いのだから、言わなくてもわかるだろう」と、パートナーに感謝の気持ちを言葉にして伝えないのはNGです。
仕事や毎日の掃除や洗濯、料理などの家事は、時には「やりたくないな」「面倒くさいな」と感じることも少なくないはずです。それでも、「いつもありがとう」「毎日助かっているよ」という言葉があるだけで心は満たされ、相手は「また頑張ろう」と思えるでしょう。
反対に、「やって当たり前だろう」という態度を取られると、「なんで自分ばっかり」という不満が募って爆発してしまうのです。
「言わなくてもわかる」ことは「言わなくても問題ない」わけではありません。夫婦の絆を大切にしたいなら、相手に感謝とねぎらいの言葉を惜しみなく与えましょう。
家事や介護の協力をしない
パートナーが家事や介護に毎日忙しくしているのに、自分は自由気ままな時間を楽しんでいるというのもいただけません。特に、自分の親の介護をパートナーに任せきりになるのは、NG中のNG行為だと認識しましょう。
「なぜ自分ばかり大変な思いをしなければいけないのか」「なぜ自分の負担ばかりが大きいのか」という不満を抱くことが、いつしか取り返しのつかない亀裂を生んでしまうかもしれません。
家事や介護は夫婦どちらかの仕事ではなく、二人で取り組むべきことです。子供が巣立ち、夫婦二人の生活になったからこそ、お互いに協力して助け合いながら日々を送ることが大切です。
不満ばかり言う
パートナーに対して不満や愚痴ばかり言っていると、相手の心はだんだんと離れて行ってしまうでしょう。「こんな人と一緒に生活していると息が詰まる」と、最終的に熟年離婚を切り出されてもおかしくはありません。
口を開けば「ここが悪い」「あれができてない」など、小言ばかり言う人と一緒に居たいと思う人はほとんどいないでしょう。頼れるのはお互いだけと思い、小さなことには目をつぶって余計なことは言わない方が賢明です。
また、パートナーの親や兄弟のことをあれこれ悪く言うのも厳禁です。肉親の悪口を言われて気分がいい人はいません。「あなたはいったい何様?」と思われてしまうので、発言には気をつけましょう。
過度なスキンシップ
夫婦二人きりに戻ったのだから、新婚時代の甘い生活を思い出そうと積極的にスキンシップをするのも考えものです。
長い年月を共に過ごしてさまざまな歴史を積み重ねた二人が、いきなり新婚生活に逆戻りできるわけではありません。また、相手がスキンシップを望んでいない場合、気まずい雰囲気になってしまう可能性もあるでしょう。
スキンシップを取りたい時は、「温度差」が生まれないようにしなければいけません。
夫婦が円満に暮らす秘訣は「無理をしない」ことであり、スキンシップも例外ではありません。疲れているパートナーにマッサージしてあげる、階段を上る時に転ばないように手を繋いであげるなど、自然な流れで相手をいたわる心を持ったスキンシップを心がけると良いでしょう。
夫婦円満の秘訣は「思いやり」
子供が巣立って夫婦二人の生活になると、今まで気にならなかったことが気になったり、見えなかったことがよく見えたりするものです。だからこそ、お互いにいたわり合いながら支え合う、優しい心を持つことが大切です。
自分本位な言動を繰り返していると、いつしか夫婦の仲は破綻してしまいます。子供が独立しただけでなく、パートナーもいなくなったということにならないよう、言動には注意を払いましょう。
文・山田千景
(2023年4月15日公開記事)