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「個人向け社債」が人気、定期預金より利回りは高いが注意点は?

2023/04/17 18:00

株式市場がふるわないためか債券投資への注目が高まっており、2022年度の日本での発行額は過去最高を更新する見通しだそうです。そんな中、ソフトバンクグループ <9984> やイオンモール <8905> などが4月、個人向けの社債を発行します。個人向けの社債は、比較的安定した投資先として知られ、定期

株式市場がふるわないためか債券投資への注目が高まっており、2022年度の日本での発行額は過去最高を更新する見通しだそうです。そんな中、ソフトバンクグループ <9984> やイオンモール <8905> などが4月、個人向けの社債を発行します。個人向けの社債は、比較的安定した投資先として知られ、定期預金と比べる投資家も多いようですが、リスクや商品性にどのような違いがあるのでしょうか。

個人向け社債はどんな商品?定期預金と比べると……

社債は、企業が資金を集めるために発行する債券ですが、個人投資家でも買いやすいように小口化されています。ただ額面金額(最低購入金額)が100万円からなどとなっており、定期預金ほど気軽にお金を投じられるわけではありません。

特徴としては、満期まで持つと利子が上乗せされてお金が戻ってくる点で、満期までの期間(召喚期間)が長いほど利率は上がります。

ただし、利率のいい社債は新規発行されるとすぐに売り切れるため、いつでも買えるわけではありません。最近では、楽天グループ <4755> が、2月に発行した利率3.3%の2年債は、期限前に売り切れるほどの人気でした。

定期預金より魅力なのは高めの利率

社債を定期預金に比べた際の長所は、利率が高いことでしょう。

発行する企業の信用格付けや満期の年数によっても異なりますが、利率はおおむね0.5~1.5%程度あります。メガバンクだと10年定期でも利率が0.002%のところもあるので、社債のほうが魅力があります。利率は通常、満期までの年数が長いほど高くなります。

社債は満期が設定されているので、計画的に投資しやすい点も魅力です。なお期限を待たずに元本が返済されることがあります(途中償還)。

前述のソフトバンクグループの社債は、満期が最長35年として設定されますが、5年目以降は期限前に償還される可能性がありますが、途中償還されても利率は守られるため、投資家に不利益はありません。

途中換金や投資先の信用度によるリスクもある

ただし、個人向け社債にも注意点があります。

定期預金は、満期前に解約しも基本的には元本割れは発生しませんが、社債は途中換金すると、金利や信用度などの状況によって、損する可能性があります(元本割れ)。

また、万が一発行した企業が倒産した場合は、利息の支払いが行われなかったり、元本が戻らなかったりするかもしれません。

社債を買う場合の判断基準として、第三者の格付け機関が提供している格付けがあります。たとえば、2月に楽天グループが発行した社債格付けは、最上位から3番目の「A」でした。格付けが低い企業は利率も高くなる傾向ですが、その分信用リスクが高くなる点には注意しておきましょう。

文/編集・dメニューマネー編集部

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