4月に引っ越しや転職の関係で通勤手当が増えた人は、9月以降の手取りが減ってしまうかもしれません。通勤手当には社会保険料がかかるためです。
なぜ9月以降に手取りが減るのか?
通勤手当には、健康保険料や介護保険料、厚生年金保険料がかかるため、4〜6月の通勤手当が多いと、9月以降に手取りが減ってしまいます。それには4〜6月の「標準報酬月額」というものが関係しています。
標準報酬月額とは、被保険者がもらった給与などのひと月分の金額を、社会保険料の計算をしやすくするため区分したもので、健康保険は1~50等級、厚生年金は1~32等級に分けられます。
標準報酬月額には通勤手当や交通費が含まれます。4月から通勤手当が増えた人は、標準報酬月額の等級が上がり、9月から手取りが減るかもしれません。
また、通勤手当には、雇用保険料もかかります。雇用保険料は料率0.6%をかけて計算します。
たとえば、月収20万円で通勤手当が1万円なら、「21万円×0.6%=1,260円」という計算となって、1,260円が雇用保険料として引かれます。通勤手当1万円分にかかる雇用保険料は、「1万円×0.6%=60円」という計算で、60円ということになります。
年金が増えるなど長期的なメリットもある
厚生年金については、保険料が上がるともらえる年金も増えるというメリットがあります。
年金をもらうタイミングは、実は老後だけではありません。病気やケガで障がい者になると障害年金をもらえますし、亡くなると遺された家族が遺族年金を受け取れます。
年金が増えることをプラスに感じるなら、社会保険料が上がることを気にしすぎなくてもいいかもしれません。
文・木崎 涼(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部
【関連記事】
・「メルカリ活用術」断捨離しておこづかいを!
・ANAとJALの株主優待を徹底比較!おすすめはどっち?(外部)
・絶対避けたい!「老後破産」特集
・積立NISAを始めるタイミングは2023年がベスト?(外部)
・人気シリーズ「銀行員が教える」