退職・老後が近い

公的年金を繰り下げるなら考えたい「イデコの年金受け取り」【連載・第4回】

2023/04/27 07:00

もらえる年金額を増やすためには、受け取る年齢を繰り下げるとよいですが、その場合、退職から受け取り開始までのそれまでの収入をどうするか、定年前の50代から考えておかなければなりません。iDeCoでまとまった積立金がある人なら、公的年金の受け取りまでの間の生活費の足しにする選択肢があります。 年金を繰り下げると増額された年

もらえる年金額を増やすためには、受け取る年齢を繰り下げるとよいですが、その場合、退職から受け取り開始までのそれまでの収入をどうするか、定年前の50代から考えておかなければなりません。iDeCoでまとまった積立金がある人なら、公的年金の受け取りまでの間の生活費の足しにする選択肢があります。

年金を繰り下げると増額された年金が一生もらえる

公的年金を繰り下げると、どれくらい受取額が増えるかというと、1ヵ月遅らせるごとに0.7%ずつ増額されます。増額は一生涯続きます。

たとえば、受け取りを65歳から70歳に5年先送りすると42%、75歳まで10年先送りすると84%増えます。

これは、65歳から月額15万円の年金を受け取れる人が70歳まで繰り下げると21万3,000円(6.3万円プラス)に増え、75歳なら27万6,000円(12.6万円プラス)に跳ね上がるのです。65歳からの年金額では不十分でも、繰り下げると毎月の生活には困らなくなる人も多いのではないでしょうか。

ただし、年金を繰り下げるなら、それまで──5年または10年など先送りした期間──の生活費の目処を立てておかなければなりません。

それには50代からの地道な準備が重要です。

公的年金を受け取るまでのつなぎにiDeCoを活用する方法

そこで活用したいのが、iDeCoの年金受け取りです。iDeCoに加入しているなら、公的年金を繰り下げた間、年金をもらうまでのつなぎに活用できます。

iDeCoの受け取り方には、分割して受け取る方法(年金)と一括で受け取る方法がありますが、分割して受け取ると税制面で有利です。

というのも、iDeCoの年金受け取りは「雑所得」として扱われるからで、公的年金と合計した収入金額が65歳未満で60万円以下、65歳以上で110万円以下なら税金はかかりません。税金がかかるケースでもiDeCoと公的年金を別々に受け取るので、税額はさほど高くならないと考えられます。

また、年金受け取りは一括受け取りと違い、年金資産を運用しながら取り崩すことになるので、受給金額が増やせるかもしれません。

たとえば、取り崩し前のiDeCoの資産が1,000万円あったとして、年利2%で運用しながら10年で受け取るとします。すると、1年あたりに受け取れる金額は約110万円になり、10年で1,100万円受け取れるわけです(実際には運用成績は一定ではないので毎回の受取金額は変動しますし、損をするおそれもあります)。

年金を70歳まで繰り下げた場合のiDeCoの受け取り方

ここで気になるのが、iDeCoの年金受け取りをいつからにすべきかということでしょう。

たとえば年金を70歳まで繰り下げるとして考えてみましょう。iDeCoの資産額にもよりますが、60歳以降に働くことと組み合わせて以下のようなパターンが考えられます。

①  60歳から69歳まで働きながら、iDeCoを10年に分けて受け取る
②  60歳から64歳までiDeCoに加入して働き、65歳から5年に分けて受け取る
③  できるだけ働いた収入で生活し、完全リタイアしたときから69歳までiDeCoを受け取る

どれにするかは、「iDeCoでいくら積み立てておけるか」が大きく影響します。健康状態や仕事への意欲、家族の都合などもあるでしょうが、積立金額が多いほど柔軟に対応できるので、50代のうちにできるだけ積立額を増やしておくとよいでしょう。

文・松田聡子(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部

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