資産の運用を投資のプロに任せる投資信託は、少ない金額から買えて初心者でも投資を始めやすいですが、注意点や選び方にポイントがあります。
注意点1 資産は減ることがある
投資信託は初心者向けとはいえ、あくまで投資。預金などとは違い、元本が保証されている商品ではないので、成績によっては資産(価値)が少なくなってしまうことがあります。
元本割れする可能性を減らすには、リスクの低い商品を買う方法もありますが、それでは逆に増える可能性も小さくなります。
そこで多くの初心者に勧められるのが、同じ商品を毎月などコツコツと定額で買い続ける方法です。これを「ドルコスト平均法」といいます。安くなった時はたくさん、高くなった時には少なく買い付けするので、購入単価の平均が安定します。
ただし、コツコツ積み立てる方法なので、短い期間の投資、高いリターンを狙った投資には向いていません。
注意点2 税金や手数料がかかる商品がある
投資信託を買うと手数料がかかり、値上がりして利益が出たら、今度はその利益に税金や手数料がかかることがあります。投資で利益を出すのは難しいだけに、たとえ少額でも見逃せません。
たとえば販売手数料が1%の投資信託を100万円分買うと、1万円とられます。投信には販売手数料のほかに、持っている期間にかかる「信託報酬」という手数料がかかります。信託報酬は1年で0.1%~2.5%です。
今は預金の金利がゼロの時代ですし、投資で得られる利益はせいぜい数パーセント。投資で成功するには、まずこうした手数料や税金の支払いを抑えることが不可欠です。
税金を安くする投信の買い方──つみたてNISAやiDeCoを使う
税金や手数料を安く抑えながら投信を買いたいなら、つみたてNISAやiDeCoという制度を使いましょう。
つみたてNISAは年間最大40万円を非課税で運用できます。今はで非課税の期間は最長で20年間、商品を買えるのは2042年までですが、来年・2024年からは非課税期間と買える期間がそれぞれ無期限になります。また投資枠も年間120万円に増えます。
買えるのは金融庁が認めた一部の投信ですが、初心者が長期にわたってコツコツ投資したいなら問題ないでしょう。
一方のiDeCoは個人向けの年金です。メリットは、かけ金がすべて所得控除になり、利息や運用で出た利益に税金がかからないことです。ただし、iDeCoは原則60歳までかけ金が引き出せないので、お金が必要になった時に困るかもしれません。
手数料を安くする投信の買い方──ノーロードの商品をネット証券で買う
投信を買う時の手数料がかからないのが「ノーロード(ファンド)」です(信託報酬などの手数料はかかります)。こうした手数料の安い投信を、ネット証券で買うとコストが抑えられます。
ネット証券は、対面証券と比べて投資にかかる手数料が安いですし、中には取引手数料が無料になる「1日定額制」の商品があります。1日の取引金額に上限がありますが、投資額が少ない人は困らないでしょう。
たとえばSBI証券 (SBIホールディングス <8473> )の「手数料定額プラン」なら、1日の取引額が合計100万円以下なら手数料はかかりません。
文・山田千景(ライター)
編集・dメニューマネー編集部
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