結婚すると、自分だけでなく、新たに家族となるパートナーの生活にも責任が生まれます。だからこそ、結婚をきっかけに「死亡保険に加入すべき」と考える人は多いでしょう。
しかし、「結婚=死亡保険に加入すべき」ではありません。死亡保険へ加入するタイミングは、どのように判断すればいいのでしょうか。
養う家族がいる場合、死亡保険が必要
生命保険の中でも、被保険者が亡くなったら保険金がおりる「死亡保険」に入ったほうがいいのは、”養っている家族がいる人”なので、夫婦ともに正社員で子供がいないなら、基本的に必要ありません。
しかし、子供が生まれたら死亡保険は必ず必要です。働き手が一人減ると、子供が独立するまでの生活費や教育費が足りなくなる恐れがあるからです。
生命保険の加入率は、40歳未満の夫婦のみ(子供がいない)世帯は71%ですが、末子が小・中学生の世帯では94.4%です(生命保険に関する全国実態調査)。現在、子供がいなくても、将来子供をつくる予定の夫婦もあることでしょう。
みんな生命保険の保険料をいくら支払っている?
保険に入る時期は子供を中心に考えるとして、次に気になるのが、いくらくらいの保険に入ればいいのか、保険料を毎月どのくらい払えばいいかということでしょう。
生命保険や個人年金保険に払っている保険料は、1年平均で男性が20万6,000円、女性が16万円です(生命保険文化センター、2023年3月)。ひと月で男性は約1万7,000円、女性は約1万3,000円です。夫婦ともに入るとしたら、毎月3万円くらいになりそうです。
この毎月1万7000円の保険料だと、保険金はどれくらいの額になるでしょうか。保障内容や加入期間などによりますが、30歳の男性が大手ネット生保に加入した場合、およそ1,000万円です。
保険金でいくらくらい必要かは、夫婦・世帯によって異なります。子供が成人・独立するまでの年数と親(自分たち夫婦)の年齢のほか、生活費や学費などの出費、保険以外の貯蓄や投資の状況、さらには遺された妻や子供に支払われる遺族年金(遺族基礎年金・遺族厚生年金)といった制度などを踏まえて、保険金でどれくらい必要か、欲しいかを見積もるとよいでしょう。
保険料を抑えながら死亡保障を備える方法もある
少しでも保険料を節約したいなら、「低解約返戻金型終身保険」を活用する方法もあります。これは死亡や高度障害状態に一生涯備えられる保険で、保険料を払っている間に解約すると解約返戻金が少ないその代わりに、保険料が割安です。通常の終身保険と比べると、だいたい85%の保険料で済みます。
この保険は、学資保険の代わりとして使えます。たとえば、子供が中学校や高校を卒業するタイミングで保険料払込期間が終わるようにしておけば、保険を解約して解約返戻金を高校や大学の進学費用に充てられます。
なお、保険料払込期間が終われば、支払った保険料を上回る解約返戻金を受け取れますので、損することはありません。
このほか、マイホームを買うなら「団信(団体信用生命保険)」に入っておくと、住宅ローン返済中に契約者が死亡や高度障害状態になっても、その後の住宅ローン残高がゼロになります。
「結婚したら、死亡保障はいくらいるのか、どのように備えるべきか」と考える前に、そもそも死亡保険に加入する必要はあるのかどうか、パートナーと一緒に確かめましょう。
文・武藤貴子(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部
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