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2024年に始まる新NISAの改正内容で勘違いしがちな5つのポイント【連載・第2回】

2023/05/05 08:00

2024年から始まる新NISAでは、現行のつみたてNISAと一般NISAが統合され、両制度が併用できるようになるため、投資できる対象や投資枠に関してのルールに誤解しやすい点があり、注意が必要です。 著者・松田聡子(ファイナンシャル・プランナー) 群馬FP事務所代表。明治大学法学部卒。金融系ソフトウェア開

2024年から始まる新NISAでは、現行のつみたてNISAと一般NISAが統合され、両制度が併用できるようになるため、投資できる対象や投資枠に関してのルールに誤解しやすい点があり、注意が必要です。

著者・松田聡子(ファイナンシャル・プランナー)

群馬FP事務所代表。明治大学法学部卒。金融系ソフトウェア開発、国内生保を経て2007年に独立系FPとして開業。企業型確定拠出年金の講師、個人向け相談全般に従事。現在は法人向けには確定拠出年金の導入コンサル、個人向けにはiDeCoNISAを有効活用したライフプランニング、リタイアメントプランニングで人生100年時代をマネーの面からサポート。

勘違い1 成長投資枠でつみたて投資枠の対象商品を買えない

よくある誤解として、「新NISAの成長投資枠(旧一般NISA)では、つみたて投資枠(旧つみたてNISA)の対象商品を買えない」というものがありますが、成長投資枠の投資対象はつみたて投資枠より幅広く、つみたて投資枠と同じ商品も買えます。

成長投資枠では投資信託の積立投資もできるため、つみたて投資枠の同じ商品で年間360万円の買付もできるわけです。

反対に、つみたて投資枠の投資対象は投資信託ETFのみであり、商品も絞り込まれています。そのため、成長投資枠で投資できる投資信託の多くを買えません。

勘違い2 非課税保有限度額はつみたて投資枠600万円、成長投資枠1,200万円の計1,800万円

NISAでは非課税保有限度額1,800万円が新設されますが、このうち成長投資枠として使えるのは1,200万円までとなっているため、つみたて投資枠は600万円までだと思っている人がいますが、そうではありません。

つみたて投資枠に内枠はなく、つみたて投資枠だけで1,800万円を使い切ることもできるのです。

勘違い3 売却して復活した枠はその年に全額使える

NISAでは持っている商品を売れば、空いた非課税枠(買付額ベース)の再利用ができますが、売っても、その枠をすぐに使えるわけではありません。

たとえば、その年に買付をしていない状況で、1,000万円分の空きができたとしても、その年に買付できるのは年間投資枠の360万円までです(内訳はつみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円)。翌年も同じく360万円までです。

勘違い4 年間360万円に非課税枠が広がったが、使い切れないので損だ

NISAでは非課税枠が年間360万円と大幅に引き上げられるため、この枠を使い切れない人は、「毎年非課税枠が余ってしまって損」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。

たしかに、現行のNISAでは、1年間で余った非課税枠が繰り越せなかったので、使い切れないことは損でした。しかし、新NISAでは非課税期間が無期限になったので、1,800万円の総枠を少しずつ埋めるのも不利にはならないのです。

運用に回せるお金に余裕があれば多めに、余裕がなければ数千円(数百円)でもよいので、自分のペースで使えます。

勘違い5 現行NISAで使っている非課税枠は新NISAで減らされる

「現行NISAで買付すると新NISAの非課税枠が減るから、2023年はNISAをやめておく」と思っている人もいるようですが、今からでも現行NISAを始めれば非課税で投資できる金額が増やせます。

現行NISAと新NISAは別枠扱いとなり、現行NISAの運用商品はそれぞれの非課税期間が終わるまで保有できます。新NISAが始まってからスタートする人より、現行NISAを 利用している人は非課税投資枠を多く持てるわけです。

このため、「2023年はNISAをしない、2024年から始める」のは“もったいない”のです。

文・松田聡子(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部

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