ミステリー漫画も金字塔『Q.E.D. 証明終了』の作者、加藤元浩氏による『空のグリフターズ』。グリフターとは、ペテン師のことで、本作は副題にも「一兆円の詐欺師たち」とあるように、詐欺を題材にした漫画だ。

普通の少女たちが1兆円を手に入れる？

『空のグリフターズ ~一兆円の詐欺師たち~』（加藤元浩著、講談社、全6巻、タップするとAmazonに飛びます)

物語は、主人公の少女・空がイギリスで警察に逮捕されたところから始まる。容疑は1兆円の詐欺。なぜ極東の日本から来た少女が、異国の地で、1兆円という莫大な額の詐欺でつかまったのか……大きな謎を提示して幕が開く。

詐欺をはたらく前の主人公は、Uber イーツのようなデリバリーサービスで働きながら、節約生活を続けていた。彼女が稼ぐ目的は父が背負った総額100億円の借金だった。体調を崩してかつぎこまれた病院で父から、先物取引で100億円の借金をつくってしまったというのだ。

100億円の担保として、生まれ育った島がとられてしまい、島を取り戻すために働いていた空が、1兆円という莫大な額の詐欺でつかまるまでの物語には、何が正義で何が悪か判断が難しい、混沌とした社会のありようが凝縮されている。

全6巻で完結しており、連休などに一気に読むのにもよさそうだ。

文/編集・dメニューマネー編集部

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