将来・老後に備えたい

初心者が考えたい新NISA「成長投資枠」の2つの使い方【連載・第3回】

2023/05/12 10:00

現行のつみたてNISA で買えるのは投資信託だけで、株式投資はできませんが、2024年から始まる新NISAには「成長投資枠」ができ、現行のつみたてNISAをしている人も株式投資もできるようになります。初心者には、短期間で値上がりを狙う投資は難しいですが、比較的取り組みやすい方法が2つあります。 著者・松

現行のつみたてNISA で買えるのは投資信託だけで、株式投資はできませんが、2024年から始まる新NISAには「成長投資枠」ができ、現行のつみたてNISAをしている人も株式投資もできるようになります。初心者には、短期間で値上がりを狙う投資は難しいですが、比較的取り組みやすい方法が2つあります。

著者・松田聡子(ファイナンシャル・プランナー)

群馬FP事務所代表。明治大学法学部卒。金融系ソフトウェア開発、国内生保を経て2007年に独立系FPとして開業。企業型確定拠出年金の講師、個人向け相談全般に従事。現在は法人向けには確定拠出年金の導入コンサル、個人向けにはiDeCoNISAを有効活用したライフプランニング、リタイアメントプランニングで人生100年時代をマネーの面からサポート。

初心者向けの投資1 売りを考えなくてよい「高配当株式投資」

配当株式投資は文字どおり、株を持っていればもらえる「配当」の利回り(1株あたり配当金÷株価)が高い株式に投資する方法で、買った株を売らずに配当をもらう方法で、小額でも始められるので、初心者でも比較的始めやすいと言えます。

どのくらい配当があると高配当銘株といえるかというと、配当利回り3%超と考えればよいでしょう。というのも、東京証券取引所プライム市場の株式平均利回りは2%台前半だからです。

たとえば、1株あたりの配当金が100円の銘柄を100株持っていれば、決算のときに1万円もらえます。

株取引の単位は100株なので1株1,000円の銘柄であれば、10万円必要です。最近は1株から買える「ミニ株」など単元未満株取引のサービスもあり、ほとんどのサービスで持っている株数に応じて配当を受け取れます。また、米国株なら1株(最低単位)から買えて、年4回配当がもらえる銘柄もあります。

初心者向けの投資2 値上がり率80%といわれる「IPO」(新規公開株)投資

IPO投資は新たに株式市場に上場する株を公開前に買って、上場後に売って利益を狙う投資方法で、IPOの勝率(初値が公募価格を上回る割合)は約80%と言われるので、多くの場合で公募価格より初値が高くなると考えられます。

多くの投資家は、上場して初めて付いた株価(初値)が買った値段(公募価格)より高ければ、すぐに売って利益を確定しますが、そのまま上がり続けると思うなら持っていても構いません。

なお2022年の東証のIPO件数は87件で、うち初値が公募価格より値上がりしたのは71件で勝率は81.6%でした。

最近では2023年3月31日に上場したFusic <5256> は公募価格2,000円に対し、初値は6,530円でした(226.5%)。100株の売買であれば45万3,000円の利益となり、NISAなら非課税です。

ただし、IPOの銘柄を買うには抽選への申込みが必要で、利益が出やすいことから抽選の倍率は100倍以上になることがほとんどです。当選確率を上げるには、IPO取扱銘柄が多い証券会社にNISA口座を開設しましょう。

また、初値が公募価格より低くなることもあり、必ず利益が出るとは限りません。

新NISAなら投資信託の積立をしながら株式投資もできる

NISAでは、つみたて投資枠(旧つみたてNISA)と成長投資枠(旧一般NISA)が併用できるので、今つみたてNISAをしている人が、新NISAでは株式投資もできるようになります。

値下がりなどのリスクはあるものの、高配当株投資やIPO投資は、投資判断が比較的難しくないと言えます。つみたて投資枠のプラスアルファとして、株式投資を検討してみてはいかがでしょうか。

文・松田聡子(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部

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