コロナによる生活スタイルの変化とグミの進化で、グミブームが来ている。人気ブランド「ピュレグミ」を擁するカンロは過去最高益を大幅に更新する見込みで、株価は33年ぶりの高値だ。グミブームとカンロ株の動きを見ていこう。
カンロがグミ好調で大幅上方修正 過去最高益上乗せ
キャンディ大手のカンロ <2216> の株価が急騰している。4月28日、2023年12月期の第1四半期決算で大幅な上方修正を発表した。
カンロは、「カンロ飴」「健康のど飴」「金のミルク」「ピュレグミ」などのキャンディを主力とする菓子メーカー。1912(大正元)年創業の老舗だ。2022年の市場シェアは飴とグミを合わせたキャンディ市場全体で12.2%と業界トップ。飴は20.4%でトップ。グミは15.9%で明治ホールディングス <2269> につぐ2位だ。
第1四半期(1〜3月)の売上は前年同期比25%増の75億円、本業の利益である営業利益は70%増の11億円と絶好調だった。売上増に加え、値上げ効果もあり利益は大幅に伸びた。
さらに、23年12月通期の業績予想について、売上を269億円から277億円(前期比10%増)へ8億円、営業利益を19.8億円から24.5億円(24%増)へ4.7億円の上方修正をした。過去最高収益を大幅に更新する。
飴はウィズコロナによる需要増と花粉・黄砂などの飛散量拡大もあって22%増、グミはそれを上回る32%増だ。発売20周年の主力ブランド「ピュレグミ」がグミの売上を牽引している。ハード系のグミも人気で「カンデミーナグミ」も好調だ。
カンロの株価は13時の上方修正に反応し、当日発表前安値の1232円から1462円高値まで一時2割ほど急騰した。その後も人気は継続し、4営業日後の5月9日には1714円の高値をつけた。決算発表前からの上昇率は4割弱。1990年2月の高値を33年ぶりに更新し過去最高値をつけた。
グミブーム 市場がガムを上回り高成長
快進撃を支えているのはグミブームだ。ブームの象徴として、グミの市場が2021年に「噛むお菓子」市場の巨人「ガム」の市場を初めて上回った。
ガムはコロナ前の2017年に823億円、グミは555億円とガムが約5割上回っていたが。コロナ後の2021年にはグミが635億円とガムの593億円を逆転した。ガムが縮小したのに対し、2021年のグミは12%伸びた。
さらに、2022年のグミ市場は23%伸び、23年も1〜3月で23%増と好調を持続している。
グミ人気には、コロナの影響もある。ガムはマスク着用中に食べにくいことで市場が縮小した。さらに、果実の味や食感にこだわったグミの進歩が市場の人気拡大を後押しした。新製品は単価も高く、コロナのステイホームで袋買いも増えたことで好調な売り上げをキープしている。
足元ではインバウンドの回復も寄与しているようだ。インバウンドの人気商品にはグミやのど飴がリストアップされている。今後「爆買い」が復活するかもしれない。
グミには万人に受けて市場拡大中
カンロのグミ売上は過去5年で約2倍になった。主力の「ピュレグミ」は2022年、グミの売上トップブランドとなった。ハード系の「カンデミーナグミ」も2022年2桁成長、爽快パウダーをコーティングした新製品「マロッシュ」は7割伸びて主力ブランドに成長した。
全世代に愛されるブランドを目指しており、ユーザー層が拡大している。
特に、マーケティング戦略でもっとも重要とされるF1層(20~34歳)に、「おしゃれでかわいいフルーツグミ」としてCMを展開しており、支持されている。
一般的に、第1四半期での上方修正は強気の表れだ。通常は中間時点で業績を見直すことが多いからだ。第1四半期での上方修正は再上方修正の可能性が高い。
今後もグミの動向からは目が離せない。
文/編集・dメニューマネー編集部
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