初めての債券投資は「個人向け国債から!とは限らない」理由【連載・第2回】

2023/05/17 07:00

債券投資というと、リスクをあまり取りたくない投資初心者は「個人向け国債」が思い浮かびがちかもしれませんが、それだけではありません。債券で、資産を守りながらリターンを狙うには、国債以外にもいろいろな選択肢があります。安全性やリターン、売り買いのしやすさなどのポイントのうち、どれを重視するのかによって、最適な選択肢は変わり

債券投資というと、リスクをあまり取りたくない投資初心者は「個人向け国債」が思い浮かびがちかもしれませんが、それだけではありません。債券で、資産を守りながらリターンを狙うには、国債以外にもいろいろな選択肢があります。安全性やリターン、売り買いのしやすさなどのポイントのうち、どれを重視するのかによって、最適な選択肢は変わります。

なぜ個人向け国債が「初心者向き」と言われるのか

個人向け国債は、1万円から購入できて、投資しやすい点が魅力です。手数料はかかりますが、途中解約もできます。 基本的に元本割れの可能性はほとんどなく、毎月購入できるので、投資初心者に向いていると言われています。

個人向け国債は固定や変動があり、変動金利タイプは将来、金利が上昇した場合にも受け取れる利子が増えます。

ただし利率は低めなので、 もう少しリスクをとってリターンを狙う場合は、利回りが高めの公社債や外国債券、債券ファンドなども選択肢に入れても良いでしょう。

国債よりリターンを狙うには公社債も視野に

まとまった資金をある程度寝かせておける人は、リターンが高めの公社債も選択肢となります。公社債は、地方自治体や企業が発行する債券です。

途中売却もできますが、時価での買い取りとなることから、元本割れの可能性もあります。また、最低投資金額は、国債よりも高めで50~100万円くらいから投資できます。

たとえば、2023年3月にソフトバンク <9434> が発行した満期5年、利率0.98%の社債を100万円買った場合、毎年3月と9月に4900円ずつ利子(税引き前)が支払われ、満期の2028年の3月に最後の利子と元本の100万円が戻ってきます。予定通りなら、総額で104万9000円が入ってくる計算です(手数料などは考慮しない)。

為替のリスクを取れる人は高金利の外国債券も検討したい

さらにリスクを取れる人は、為替リスクのある外国債券なども視野に入れると良いでしょう。外国債券は、海外の国や企業が発行する債券で、国内の公社債よりもさらに金利は高めです。外貨建ての外国債券は、為替レートによって利子や満期の際の元本の受け取り額が変動します。

最近では、5月にトヨタ自動車系の海外ファイナンス会社の「トヨタファイナンスオーストラリアリミテッド」が、米ドル建てで利率3~5%(税引き前)、満期5年の社債を発行する予定です。このほかにも、さまざまな企業や金融機関が外国債券を発行しています。

プロに任せられる債券ファンドに投資する方法も

どの債券に投資すれば良いか分からない人は、債券ファンドに投資する方法もあります。

ファンドごとに国内、海外など投資する債券の対象は異なります。プロのファンドマネージャーがいろいろな債券を組み合わせて運用してくれるため、分散投資でリスクを抑えつつ、任せられる点がメリットです。

ファンドは1万円からでも購入でき、基本的に毎日買い付けや解約ができます。ただ購入時や保有中、一部解約時に手数料がかかります。

このほか、ファンドには、株式と同様に取引所で売り買いできるETF(上場投資信託)もあります。

過去1年の債券ファンドの資金流入ランキングで上位に入ったのは米国など先進国の高利回り債券に投資するタイプのファンドで、たとえば「債券パワード・インカムファンド(資産成長型)(パワード・インカム)」や「フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド」などがあります。

文・北川茂樹(Webライター)
編集・dメニューマネー編集部

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