いま4株を買っておけば、わずか2ヵ月弱の間に100株に増える……。背景を知らずに聞けば詐欺のようですが、本当に予定されている話で、2023年7月1日に日本電信電話 <9432> の株が25分割するため、6月末までに4株を買っておけば7月には100株になるのです。
NTTの株主優待はdポイントがもらえるというものですが、もらえる条件が変わらず続くなら、今のうちに買っておけば2年以上保有で配当と優待の利回りが11.9%になる計算です。
40万以上必要だったNTT株が2万円弱で買えるようになる
NTT の株式が分割されると、現在、40万円以上必要なNTT株が2万円程度で買えるなど、個人投資家が手を出しやすくなります。
同社が株式を分割する背景には、2024年から新NISAが始まるのをひかえ、投資しやすい金額にすることで多くの投資家に買ってもらおうという意図があります。
5月12日に発表され、翌週5月15日の終値4,199円で計算すると、25分割後は1株あたり167.96円。優待を得るためには100株必要で、現時点では41万9,900円(4,199×100)要りますが、分割後は1万6,796円(167.96×100)と2万円弱で買えるようになります。
株主優待「dポイントの贈呈」が同条件で続く場合
「配当」と「優待」が今のまま続くなら、利回り10%以上も可能です。
NTTの1株あたりの「配当」は2023年3月期が120円、2024年3月期の予想は125円で、これをもとに計算すると配当利回りは、現時点で2.98%です。株式分割後の配当予想は1株あたり2.5円で、年間5円(年2回)となり、予想配当利回りは同じです。
次にNTTの「優待」は、長期にわたって株を持っている投資家にdポイントを贈呈するというもので、100株以上持っている投資家に、2年以上3年未満で1,500ポイント、5年以上6年未満で3,000ポイント付与しています。
これが続くとすると、6月末までに4株買っておけば、2025年9月以降dポイントがもらえます。配当額、優待内容が今と同じだとすると、配当+優待利回りは11.9%となります。
というのも、1万6,796円でdポイントが1,500ポイントもらえると、優待利回りは8.93%となります。dポイント1ポイントを1円で換算すると、配当と優待をあわせた利回りは、11.9%です(500+1,500円が1万6,796円の投資でもらえるため)。
現在の優待特典は2023年3月時点のものですが、NTTの発表には「2023年7月1日の株式分割以降もdポイント進呈条件に変更はございません」とあるため、100株持っていれば同じ条件でdポイントがもらえそうです。
株主優待でポイントがもらえるのは、2年以上で1度、5年以上で1度の合計2度で、毎年もらえるわけではありませんが、増配企業でもあり、優待や配当の条件がもっとよくなる可能性もあります。
もちろん株価が下がるリスクはありますし、分割によって多くの人が買えるようになる反面、流動性が高くなり、価格の上下動が激しくなる可能性もあります。そうした点にも注意しながら投資判断をしましょう。
文・谷口久美子(フリーライター)
編集・dメニューマネー編集部
(2023年5月16日公開記事)
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