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最高益、株価も2年ぶり高値の永谷園、稼ぎ頭はシュークリーム?

2023/05/22 07:00

お茶漬け、みそ汁(あさげ、ゆうげ)が有名な永谷園だが、今期は5期連続の増益が見込まれており、株価は2年ぶりの高値をつけている。業績のけん引役は、なんとシュークリーム専門店の「ビアードパパ」だ。永谷園の稼ぎ頭に迫ろう。 永谷園はシュークリームで稼いでいる? 創業70年を超える永谷園ホールディングス <2899>

お茶漬け、みそ汁(あさげ、ゆうげ)が有名な永谷園だが、今期は5期連続の増益が見込まれており、株価は2年ぶりの高値をつけている。業績のけん引役は、なんとシュークリーム専門店の「ビアードパパ」だ。永谷園の稼ぎ頭に迫ろう。

永谷園はシュークリームで稼いでいる?

創業70年を超える永谷園ホールディングス <2899> は、お茶漬けやみそ汁など和風即席食品でトップの老舗食品メーカーだ。日本で「永谷園」を知らない人は少ないだろう。一方、シュークリーム専門店の「ビアードパパ」を運営していることを知っている人は少ないのではないだろうか。

永谷園は2013年にビアードパパを運営する麦の穂ホールディングスを94億4000万円で買収した。麦の穂グループは「ビアードパパ」を国内約250店、海外は米国や中国を中心に約200店を展開している。中食で海外売上が多いのが永谷園にとって魅力だった。

ビアードパパの売上は、売上構成では「中食事業」に分類される。2023年3月期の同部門の売上は16%増の130億円、営業利益は3.3倍の8億円と永谷園の好業績に大きく貢献した。

永谷園はM&Aが得意 成長を中食と海外事業に求める

永谷園は老舗のお堅いイメージだが、M&Aを積極的に取り入れて成長戦略を描いている。国内は少子高齢化のため永谷園の得意とする和風即席食品で著しい業績成長は見込めない。そこで中食や海外に成長を求めた。

2013年に麦の穂を買収後、2016年には英フリーズドライ会社のブルームコを150億円で買収した。ブルームコの傘下には世界有数のフリーズドライ食品会社チョウサー・フーズ・グループがある。

永谷園はこれまで国内で培ってきたフリーズドライ加工技術にシナジーを効かせて、海外展開を加速しはじめた。チョウサー・フーズの売上増は、麺、粉製品などが和食人気で伸びているのに加え、健康食品指向でスナック、飲料、サプリメント食品の市場が拡大している。

「海外食料品事業」の2023年の売上高は 45%増の421億円、営業利益は3.1倍の27億円に達した。売上構成は、国内50%、海外38%、中食12% となり、多角化は順調に進んでいる。

海外食品事業とビアードパパで全体の半分以上を稼ぐ

中食、海外食料品の好調に支えられて2023年3月期は売上が16%増の1104億円、営業利益が10%増の52億円と好調な決算だった。

今2024年3月期も売上3%増の1138億円、営業利益11%増の59億円を見込んでいる。5期連続の営業増益見込みだ。

国内食料品の原材料高による落ち込みを十分に埋めている。国内食糧品の売上は横ばいの54億円、営業利益は35%減の33億円だった。

業績は国内外のバランスがよく堅調、PERは11倍、PBRは1倍と割安感があることから株価は2年ぶりの高値をつけてきた。

海外食料品事業やビアードパパ次第では上方修正も期待できるだけに今後の動向が注目だ。

文/編集・dメニューマネー編集部

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