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新NISAで非課税枠が増えたらイデコはいらない?2つ賢く併用する方法【iDeCo+新NISA】【連載・第5回】

2023/05/28 10:00

2024年から始まる新NISAでは、非課税で投資できる額が1人1,800万円までと今より大幅に増えるので、「iDeCo(イデコ)はいらない」と考える人もいるかもしれませんが、iDeCoにはNISAにない強みがあり、両方を併用したほうが有利です。 ただ、人によっては、どちらを中心にするといいかは異なります。

2024年から始まる新NISAでは、非課税で投資できる額が1人1,800万円までと今より大幅に増えるので、「iDeCoイデコ)はいらない」と考える人もいるかもしれませんが、iDeCoにはNISAにない強みがあり、両方を併用したほうが有利です。

ただ、人によっては、どちらを中心にするといいかは異なります。

著者・松田聡子(ファイナンシャル・プランナー)

群馬FP事務所代表。明治大学法学部卒。金融系ソフトウェア開発、国内生保を経て2007年に独立系FPとして開業。企業型確定拠出年金の講師、個人向け相談全般に従事。現在は法人向けには確定拠出年金の導入コンサル、個人向けにはiDeCoNISAを有効活用したライフプランニング、リタイアメントプランニングで人生100年時代をマネーの面からサポート。

新NISAより「iDeCo」を中心にするのは老後資金準備の必要性が高い人

iDeCo(個人型確定拠出年金)の活用を中心に考えたほうがいいのは、老後資金を準備する必要性の高い自営業者や、生涯独身で過ごす予定の人などです。なぜなら、老後資金を準備するのであれば、NISAよりiDeCoのほうが有利だからです。

iDeCoは公的年金の上乗せのための制度で、所得税などを計算する際、掛金の分を所得から差し引いて計算されます(全額所得控除といいます)。

たとえば、年収500万円の会社員が毎月2万円をiDeCoで積み立てた場合、1年間に所得税と住民税が約4万8,000円安くなります。

これと同じメリットを投資で得ようとすると簡単ではありません。24万円(2万円×12カ月)投資して、4万8,000円の利益は、20%にあたります。この点、掛金を支払えば必ず受けられる所得控除は、iDeCoの大きなメリットです。

また、iDeCoは運用中の利益にも税金がかかりません(これはNISAと同じです)。

老後の必要資金を作るには、iDeCoを掛金上限まで積み立てて、非課税投資枠が拡大された新NISAでもできるだけ上積みするとよいでしょう。

新NISAを主にするのは途中で引き出したい人

主に新NISAで資産を作るといいのは、教育資金などを準備して、必要に応じて使いたい人です。

なぜかというと、iDeCoは老後資金準備のための制度であり、それ以外の資金は他の方法で準備しなければいけないからです。また、iDeCoは60歳になるまで資金の引き出しができません。

このため、途中で資金を引き出す必要がありそうなら、NISAで主に資産を作ったほうがよいです。

新NISAとiDeCoを併用する場合の運用のポイント

まず新NISAについては、運用期間に応じてリスクの異なる商品に投資しましょう。

NISAのつみたて投資枠(今のつみたてNISA)の投資対象は、株式だけで運用する投資信託かバランス型ファンドですが、運用期間が10年前後の場合、株式の投資信託だけでは安定した成果が得られない可能性があります。途中で暴落が起きると、運用期間が終わるころに回復していないかもしれないからです。

このため、運用期間が短めの場合はバランス型ファンドまたはバランス型ファンドと株式の投資信託を組み合わせ、20年30年の長期では株式の投資信託のみで運用してもよいでしょう。

次にiDeCoですが、定期預金などの元本確保型の商品ではほとんど利息が付かないため、なるべく元本確保型を避け、投資信託を積み立てていきましょう。

iDeCoは途中で引き出せないため、多くの人は運用期間が10年以上の長期になるはずなので、高い利益を狙った商品が一時的に値下がりしても、時間が経てば挽回が期待できます。

商品選びが難しい場合は、新NISAのつみたて投資枠で提供されている商品と似たような銘柄を選んでもよいでしょう。

文・松田聡子(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部

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