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カードローンで借りた50万円の返済額が「8万円減る」借り換え方法【シミュレーション】

2024/07/02 07:00

カードローンの返済額は「借り換え」によって9万円ほど減らせる可能性がある。どんな借り換えをすれば返済額を減らせるのだろうか。 金利の低いカードローンへの借り換え カードローンは取扱業者によって大きく銀行系、信販系、消費者金融系の3つに分けられ、消費者金融系カードローンの上限金利相場が年18%なのに比べ、銀行系カードロー

カードローンの返済額は「借り換え」によって9万円ほど減らせる可能性がある。どんな借り換えをすれば返済額を減らせるのだろうか。

金利の低いカードローンへの借り換え

カードローンは取扱業者によって大きく銀行系、信販系、消費者金融系の3つに分けられ、消費者金融系カードローンの上限金利相場が年18%なのに比べ、銀行系カードローンはおおおむね14%台と総じて低い。

銀行系カードローンでお金を借りて消費者金融系カードローンを一括返済してしまう借り換えは、返済額を減らすオーソドックスな方法といえるだろう。

たとえば年利18%のカードローンで借りた50万円を48回払いで返済するシミュレーションをすると返済総額は70万4976円になる(毎月の返済額1万4687円)。

これを上限金利14%の「みずほ銀行カードローン」(みずほフィナンシャルグループ <8411> )で48回払いのローンを組んだ場合、返済総額は65万5968円になり4万9008円も減らせる。月々の支払は1万3666円なので1021円少なくて済む計算だ。

メガバンク系のカードローンは「三井住友銀行カードローン」(三井住友フィナンシャルグループ <8316> )の上限金利が14.5%、「三菱UFJ銀行バンクイック」(三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> )は14.6%、「りそな銀行カードローン」(りそなホールディングス <8308> )13.5%となっており、いずれも借り換えで前出の例に近い減額ができるかもしれない。

信販系カードローンの上限金利は16%台~18%と消費者金融系より若干低い程度だが、それでも借り換えによって返済額をいくらか減らせられる。

特にジェーシービーが提供している「JCB CARD LOAN FAITH」は149万円までの金利が12.5%なので、上述と同じ条件でシミュレーションをすると返済総額は63万7920円となり、消費者金融系との差は6万7056円にもなる。

毎月の支払額は1万3290円になるので、金利18%との差は1397円だ。

複数のローンをおまとめカードローンへ借り換え

カードローンの金利は借入額が多いほど低くなるので、複数のローンを一つにまとめる「おまとめローン」でも総返済額を減らせる可能性がある。

たとえば、カードローンAから金利18%で50万円、カードローンBから18%で30万円、カードローンCから18%で20万円の借入があったとして、これをそれぞれ48回払いの返済シミュレーションする。

この場合、カードローンAの返済総額は70万4976円、カードローンBは42万2976円、カードローンCが28万2000円となり、3つ合わせた返済額は140万9952円になる。

この3つを東京スター銀行のおまとめローン「スターワン乗り換えローン」にまとめた想定では、金利が上限の14.6%であったとしても返済総額は132万6144円となり、8万3808円減らせる。

毎月の返済額も、3つのローン合計で2万9374円だったのが2万7628円となり1746円少なくなる計算だ。

「横浜銀行カードローン」(コンコルディア・フィナンシャルグループ <7186> )であれば100万円以上200万円以下の金利が11.8%なので、同様のシミュレーションをすると返済総額が125万9328円、月々の返済額が2万6236円となり、それぞれ15万624円、3138円減らせる。

ただし「おまとめローン」は返済のみのローンであり、新たな借り入れが必要となったときには使えないので注意が必要だ。

違う返済方式のカードローンへ借り換え

カードローンの返済方式はいくつかあるが、毎月決められた一定額を返済する「定額返済方式」には、「元金定額方式」と「元利定額方式」があり、どちらの返済方式を選ぶかで返済額が異なる。

「元金定額方式」は、一定の支払い元金に利息を上乗せした金額を毎月支払う方法で、支払い金額も月々少しずつ異なり、初めのうちは利息分が高いため支払額が多くなる。

たとえば借入額50万円、金利18%、返済期間48カ月の元金定額方式ローンをシミュレーションすると、最初の月の支払いは1万7916円となり、そのうち元金が1万416円、利息が7500円となる。

2回目の支払いは返済額が1万7759円で、元金は一定なので1万416円で変わらず、利息が7343円になる。

こうして毎月少しずつ返済額が減っていくのが元金定額方式の特徴で、返済総額は68万3738円になる計算だ。

後者の「元利定額方式」は、毎月の支払額から利息分を除いた額だけ元金が減るかっこうで、メリットは月々の支払額が同額である点だが、デメリットは返済総額が多くなってしまうことだ。

前出と同じ条件を元利定額方式でシミュレーションすると、月々の返済額は1万4687円(最終月は1万4684円)となり、1回目はそのうちの7500円が利息分で元金は7187円になる。

翌月は返済額1万4687円のうち利息分が7392円で、元金は7295円となり、支払い回数が進むごとに元金の占める割合が増え、利息分が減る。

返済総額は70万4973円となり、元金定額方式と比べて2万1235円増える計算になるので、返済総額を少なくしたいなら元金定額方式を選んだほうがいいだろう。

一方で毎月の支払額を比べると、1回目の支払額では元金定額方式のほうが3229円多くなり、こうした月々の支払額が多い傾向は21回目の支払いまで続く。

ただ22回目の支払いで元利定額方式のほうが53円多くなり、その差は毎月広がって最終月には4080円も多くなる。

元金定額方式に比べて返済総額も多く、途中からは月々の返済額も多くなってしまうのでメリットがないように思えるが、当面の返済額を抑えたいという人は元利定額方式を選ぶのもありかもしれない。

借り換えは返済額を減らせる方法の一つだが、借入金額が少ない場合は金利が低くなっても返済額はさほど変わらないので借り換えをするメリットは小さいだろう。

また過去5年で滞納したことがあるなど、信用情報に問題がある場合も見合わせたほうがいいかもしれない。

文/編集・dメニューマネー編集部