まとまったお金が必要なとき、カードローンではなく「フリーローン」を使うと返済額を14万円以上減らせる可能性がある。一般的なカードローンとフリーローンとの返済額の差を比べてみた。
フリーローンで50万円借り入れ──カードローンより返済額が14万円減る理由
フリーローンは必要な金額を一括で借り入れる使い道が自由なローンで、主に銀行が提供しているため低金利なのが特徴だ。
たとえば消費者金融のカードローンでは上限金利18%が一般的だが、「三井住友銀行フリーローン」(三井住友フィナンシャルグループ <8316> )では5.975%と約12%も下回る。
この金利差を借入れ額50万円、48回払い返済のケースで比べてみると、金利18%では返済総額が70万4976円、毎月の返済額が1万4687円なのに対して、三井住友銀行フリーローンでは返済総額が56万3330円と14万円以上も少ない計算になる。
月々の支払額は1万1736円なので、こちらの差は2951円だ。
メガバンク系では「みずほ銀行多目的ローン」(みずほフィナンシャルグループ <8411> )の金利が5.875%とさらに低く、上のケースと同じ条件であれば返済総額56万3328円、毎月の返済額は1万1713円になる。
メガバンクばかりでなく、ネット銀行もフリーローンを扱っており、「住信SBIネット銀行フリーローン」(住信SBIネット銀行 <7163> )は上限金利が12.1%とメガバンク系には及ばないものの、それでも一般的なカードローンより約6%も低い。
前述と同じ条件で借入したとすれば、返済総額は63万7617円、月々の返済額が1万3191円になり、それぞれ6万7359円、1496円安く済む。
流通系銀行では「イオン銀行フリーローン」(イオンフィナンシャルサービス <8570> )の金利が13.5%と低めで、上と同じ借り入れをした場合の返済総額は64万9824円、毎月の返済額は1万3538円だ。
金利18%と比べると、金額差は総額で5万5152円、月々では1149円になる。
フリーローンの金利をさらに低くする方法
フリーローンのなかには、変動金利と固定金利が選べる商品もあり、その場合は変動金利を選んだほうがさらに金利が低くなる。
上で挙げた「みずほ銀行多目的ローン」の金利5.875%は変動金利であり、同ローンには他に年6.9%の固定金利もある。
もちろん変動金利を選ぶときは、先々金利が上がる可能性も頭に入れておかなければならない。
住宅ローンを組んでいる金融機関にフリーローンがあるなら、金利がさらに低くなる可能性がある。
なぜなら、住宅ローン利用者に対して特別金利を適用しているケースがあるからだ。たとえば「三井住友銀行フリーローン」では5.975%の金利が住宅ローン利用者に限って3%(ポイント)引き下げられ2.975%になる。
上と同じ借り入れをするなら、返済総額53万929円、月々の返済額1万1061円となり、金利18%の場合と比べ、返済総額で17万4047円、月々返済額で3626円も少なくなる計算だ。
「りそなフリーローン」(りそなホールディングス <8308> )も住宅ローン利用者に特別金利のフリーローンを提供しており、こちらは通常14%の金利から0.5%引き下げられる。
みなと銀行(りそなホールディングス <8308> )の「〈みなと〉フリーローン」は契約から借入れまでをWebで完結すれば、年4.8%~14.9%の金利が0.2%下がる。
上と同じ借入れで上限金利14.9%が14.7%になると、返済額の差は総額で2448円とわずかだが減るので、Webで済ませたほうがいいだろう(金利14.9%で返済総額66万6720円-金利14.7%で返済総額66万4272円)。
フリーローンを使うときの注意点
フリーローンはカードローンと違って基本的に借入れは1度だけで、もう一度借りたいときは再度審査を受ける必要がある。
銀行や信用金庫、信用組合などが扱うフリーローンは、年収の3分の1までしか融資できない総量規制の対象外だが、だからといっていくらでも借りられるわけではない。
金融機関ごとに個別の基準を設けているので、申請の際は希望額が少ないほど審査が通りやすくなるだろう。
注意点としては、フリーローンは使い道が限定されていないが、それでも事業資金としては使えないことだ。
また、用途は審査対象となるので、申請時には申告しなければならない。その際、買う予定の商品のパンフレットなど資料の提出を求められる場合があるので、事前に用意しておいたほうがいいかもしれない。
またフリーローンには一切の担保を必要としない「無担保型」と、不動産や保証人などの担保を必要とする「有担保型」があるので、申し込む前に確かめたほうがいいだろう。
文/編集・dメニューマネー編集部