給与振込口座は、会社が銀行を指定する場合もあるため事前確認が必要だ。その上で、手数料や金利、ATM利用条件を比較することをおすすめしたい。特にネット銀行は無料回数の多さや預金金利の高さ、利便性から選ばれることが多い。効率的な家計管理を実現するために賢く選ぼう。
給与振込口座を選ぶ際に比較すべきポイント
これらの条件によって、毎月のコストや利便性が大きく変わる。特に、家計管理や資産形成を効率的に進めるためには、口座の選び方が鍵となる。
手数料が低い・無料回数が多い
給与振込口座を選ぶ際に、重要なのは手数料の低さや無料回数の多さだろう。振込や引き出しの手数料が増えると家計への負担は重くなる。手数料無料の回数が多いなど、条件の整った口座を選ぶことが望ましい。
ネット銀行では、一定の条件を満たすことで、たせばATM手数料や振込手数料が無料になる場合が多い。この仕組みを活用すれば、日常的なコストを抑え、無駄な支出が避けられる。
預金金利が高い
預金金利の高さも、給与振込口座を選ぶ際に注目すべきポイントだ。金利が高い口座を選べば、普通預金でも効率的に資産を増やせる。この点で有利なのはネット銀行だろう。
メガバンクと比較すると、ネット銀行の金利は概ね高く設定されている。この金利差は短期間では小さく感じられるかもしれないが、長い目で見れば大きな差となってくる。
使えるATMが多い
給与振込口座を選ぶ際には、利用可能なATMの数や対応ネットワークの広さも重要だ。給与を引き出す場面や急な現金の必要時に、近くで使えるATMが少ないのは不便だ。
ネット銀行は提携するATMネットワークが広く、さまざまな場所で利用できる場合が多い。
都市部から地方まで幅広いエリアで対応可能なネットワークを採用する銀行を選べば、スムーズな資金管理が可能だ。対応するATMの種類や利用可能エリアを事前に確認しておくことが望ましい。
給与振込口座はネット銀行がおすすめ
給与振込口座を選ぶ際、メガバンクとネット銀行のどちらにするか迷う人はも多いのではないだろうか。
手数料や金利、利便性の面から考えると、ネット銀行がおすすめだろう。とりわけ節約や効率的な資産運用を目指す人にとって、ネット銀行のメリットは大きい。
以下は、メガバンクとネット銀行のメリット・デメリットを比較した表である。
メガバンク | ネット銀行 | |
---|---|---|
メリット | ・店舗が多く直接相談が可能 ・サービス網が広い ・各種ローンなど総合取引がしやすい | ・手数料が安い、または無料回数が多い ・普通預金・定期預金の金利が高い ・提携ATMが多く利便性が高い |
デメリット | ・ATM手数料が高い ・普通預金・定期預金の金利が低い ・各種条件で手数料が発生しやすい | ・実店舗がないため相談しづらい ・緊急時の現金引き出しが不便な場合がある ・ネット環境が必要 |
ネット銀行は、ATM手数料や振込手数料が無料になる条件が多く設定されており、コスト面で大きなメリットがある。
一方、ネット銀行には実店舗がないため、相談が必要な場合には不便を感じることもあるだろう。しかし、最近ではカスタマーサポートも強化され、ネット上で相談できるサービスも充実している。
メガバンクと比べて、ネット銀行はコストパフォーマンスが高く、日常的な資産管理に向いている。特に給与振込口座としては、利便性と節約効果を両立できるため、ネット銀行を選ぶのがおすすめしたい。
おすすめの給与振込口座7選
給与の受け取り口座を選ぶ際、ぜひ注目しておきたいのが預金金利や手数料だ。その点でおすすめの銀行7行を紹介する。
楽天銀行
楽天銀行はネット銀行の中でも高金利と豊富な特典が魅力だ。給与振込を利用することで楽天ポイントが付与されるほか、ATM手数料や振込手数料の優遇も受けられる。
普通預金の金利 | 0.1% |
---|---|
ATM手数料 | 月3回まで無料 |
振込手数料 | 楽天銀行間無料、他行は月3回無料 |
貯金に有利な特典 | 楽天ポイント付与(条件達成時にポイント還元) |
取引可能ATM | セブン銀行ATM、ローソン銀行ATM、イーネットATMなど |
楽天銀行は、当然ながら楽天経済圏との連携が強い。普通預金の金利が高く、他行への振込手数料が月3回まで無料になるため、コストパフォーマンスに優れている。
特に楽天カードや楽天市場との併用で、家計全体の節約やポイント還元効果を高められる。
楽天市場や楽天カードを日常的に利用する人、手数料を節約しながらポイントを貯めたい人に最適だ。また、楽天ポイントが貯まるサービスや、スマホで簡単に残高照会ができるといったシンプルで分かりやすいサービス内容がネット銀行を初めて使う人にも安心感を与える。
三井住友銀行(Olive)
三井住友銀行の新サービス「Olive」は、デジタル時代に対応した新しい銀行口座の形を提供する。スマートフォンでの操作性が良く、従来のメガバンクにはない利便性が魅力だ。
普通預金の金利 | 0.1% |
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ATM手数料 | 本支店ATMは無料、コンビニATMは1回無料 |
振込手数料 | SMBCグループ内無料、他行は3回まで無料 |
貯金に有利な特典 | Vポイントアッププログラム |
取引可能ATM | 三井住友銀行ATM、セブン銀行ATMなど |
Oliveは、デジタルサービスとメガバンクの安心感を兼ね備えた口座だ。特に、ATM手数料や振込手数料が無料でコストを抑えられ、Vポイントアッププログラムで対象のサービスを利用することで通常より多いポイントを獲得できるなど特典が多い。
スマートフォンで取引が完結するだけでなく、困ったときなどは全国の店舗や窓口で直接相談できるといった利便性に優れている。
三井住友銀行をすでに利用している人、デジタルサービスと従来の店舗利用の両方を重視する人に最適な選択肢だ。
住信SBIネット銀行
住信SBIネット銀行は、金利の高さと手数料無料回数の多さで評価されている。特に、資産運用サービスとの連携に強みがある。
普通預金の金利 | 0.1% |
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ATM手数料 | 月2回まで無料(アプリ登録すれば月5回無料) |
振込手数料 | 住信SBIネット銀行間は無料、他行は月1回無料 (アプリ登録すれば月5回無料) |
貯金に有利な特典 | スマートプログラム(※) |
取引可能ATM | セブン銀行ATM、ローソン銀行ATMなど |
住信SBIネット銀行は、SBI証券と連携することで金利が0.01%優遇される。さらに、スマートプログラム(※)でランクを上げることでATM手数料や振込手数料の無料回数が増加するため、資産運用や日常的な取引のコストを抑えられる。
※スマートプログラムは、商品・サービスの利用に応じて、ATMや振込の手数料無料やポイント獲得などの特典が受けられる優遇プログラム
資産運用を考えている人、高金利で預金を効率よく増やしたい人に最適だ。
イオン銀行
イオン銀行は、イオングループの利用者に特化した特典が充実している。特に、毎月20日・30日の「お客様感謝デー」はイオンカードセレクトの支払いで5%オフ、イオンカードセレクトの利用で金利が最大年0.18%に優遇されるなど、買い物と貯金を効率的に組み合わせられる。
普通預金の金利 | 0.1% |
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ATM手数料 | イオン銀行ATMは無料 |
振込手数料 | イオン銀行間は無料、他行は月1回まで無料 |
貯金に有利な特典 | WAONポイント付与(条件達成時) |
取引可能ATM | イオン銀行ATM、ゆうちょ銀行ATMなど |
イオン銀行では、イオングループの店舗内にATMが設置されているため、買い物と銀行取引を一度に済ませられる。イオングループの対象店舗でWAONポイントが毎日2倍になるのも魅力だ。
イオンで日常的に買い物をする人、WAONポイントを活用したい人に最適だ。
auじぶん銀行
auじぶん銀行は、auユーザー向けに特化したネット銀行で、スマートフォンの操作性に優れていて使いやすい。au PAYやKDDI関連サービスとも連携している。
普通預金の金利 | 0.11% |
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ATM手数料 | 月2回まで無料 |
振込手数料 | auじぶん銀行間は無料、他行は月3回無料 |
貯金に有利な特典 | au PAY残高チャージでポイント還元 |
取引可能ATM | セブン銀行ATM、イーネットATM、ローソン銀行ATMなど |
給与振込口座として利用した場合、じぶんプラスのスタンプ獲得&ポイントがたまる。これにより、ATM手数料や振込手数料などの優遇を受けられる。
また、各種auのサービスと組み合わせれば金利が大幅に上乗せされる。さらに、スマートフォンアプリを通じた操作性が優れ、ATM手数料や振込手数料も無料回数が多い点も強みだ。
auユーザーやau PAYを日常的に活用している人、スマホ完結型の銀行サービスを利用したい人に向いている。
ソニー銀行
ソニー銀行は、多通貨対応や外貨預金に強みがあり、海外旅行や留学などで外貨を活用する人に特化したサービスが特徴だ。
普通預金の金利 | 0.15% |
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ATM手数料 | 月4回まで無料 |
振込手数料 | ソニー銀行間は無料、他行は月1回無料 |
貯金に有利な特典 | 外貨預金優遇キャンペーンあり |
取引可能ATM | セブン銀行ATM、ローソン銀行ATM、イーネットATMなど |
ソニー銀行は、外貨預金や海外送金の手数料が低い点が魅力だ。また、複数通貨での資産管理が可能なため、海外出張や旅行が多い人には特に便利だ。
海外旅行や留学で外貨を扱う機会が多い人、外貨預金を利用して資産運用をしたい人に向いている。
三菱UFJ銀行
三菱UFJ銀行は、メガバンクの安心感と店舗網の広さが特徴で、近年ではデジタルサービスも強化されている。
普通預金の金利 | 0.1% |
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ATM手数料 | 条件次第で無料 |
振込手数料 | 三菱UFJ銀行間は無料、他行は基本有料 |
貯金に有利な特典 | メインバンクプラスで金利・手数料優遇 |
取引可能ATM | 三菱UFJ銀行ATM、セブン銀行ATMなど |
スーパー普通預金〈メインバンク プラス〉を利用することで当行のATMの時間手数料やコンビニATM手数料などが無料になるほか金利優遇などを受けられる。
対面での相談を重視する人、大手銀行の信頼性を求める人に適しているといえよう。
受け取った給与は振り分けて賢く管理しよう
給与受け取り後は、複数の口座に振り分けて管理することで、家計管理を効率化できる。例えば、固定費、貯金、生活費など、用途別に口座を設定することで、無駄な出費を抑え、計画的に貯蓄できる。
● 使い道が明確になる
● 無駄遣いが減る
● 家計簿の記録がしやすい
例えば、固定費用用の口座には家賃や光熱費を、生活費用の口座には食費や日用品を振り分けることで、支出目的が分かりやすくなる。これにより計画的な支出が可能だ。
生活費用の口座を分けることで、支出内容が明確になり、予算内でやりくりしやすくなる。固定費用や日々の生活費を用途ごとに振り分けることで、無駄遣いを防ぎ、貯金が増える効果も期待できる。また、支出の管理が簡単になり、家計簿の記録も効率的に行える。
振り分けの具体例としては、給与の50%を固定費用用、20%を貯金用、30%を生活費用の口座に分けるといった方法が挙げられる。振込手数料無料の口座を活用し、自動振替設定を行えば、効率よく管理できる。複数の口座を活用し、ライフスタイルに合った家計管理を目指そう。
給与振込口座は手数料や金利を比較して選び、賢く使い分けよう
これらを見極めることで、毎月のコストを抑えた家計管理の効率化にグッと近づく。
特にネット銀行は、手数料無料の条件が緩やかで、預金金利が高く、広範なATMネットワークを提供している。スマホで完結する取引が多い人や、頻繁にATMを利用する人には適しているといえよう。
一方、メガバンクは対面での相談が可能で、住宅ローンをはじめとする幅広い総合取引ができる点に強みがある。用途に応じてネット銀行とメガバンクを使い分けるのが賢明だ。
給与を用途ごとに複数の口座に振り分けて管理すれば、支出が明確になり、無駄遣いを防ぎつつ計画的な家計管理が可能になる。手数料や金利、利便性を考慮して口座を選ぶことで、効率的な資産運用と節約が実現し、家計管理がシンプルでスムーズになる。