円安でドルやユーロなど外貨への投資が注目されていますが、初心者にとってFXはハイリスクというイメージがあり、敬遠する人も多いでしょう。しかし、FXは短期で利益を狙うだけでなく、株で配当金をもらうような「スワップポイント投資」という方法があり、初心者でも比較的簡単に取り組めます。
初心者に向く理由1 決済のタイミングを気にしなくてよい
スワップポイント投資は外貨預金の金利のようなスワップポイントを毎日もらうだけなので、決済のタイミングをあまり気にする必要はありません。
たとえば、外為ドットコムの米ドル/円の買いのスワップポイントは1万米ドル(約136万円)につき182円でした(2023年5月1日分)。この金額が1年間続くとすると、6万6,430円受け取れることになり、1米ドル140円であれば年間利回りは4.745%です。
金利の高いメキシコペソのスワップポイントは1万メキシコペソ(7万9000円)につき23円でした。同じ金額を1年受け取れたとして(8,395円)、1メキシコペソが7.5円だとすると、年間利回りは約11.19%になります。
短期間で大きな利益にはなりませんが、今の水準で長く持ち続けるとかなり魅力的な投資と考えられます。しかも、スピーディな投資判断などは必要なく、初心者やあまりリスクを取りたくない人でも取り組める方法です。
スワップポイントは基本的に金利の低い通貨を売って金利の高い通貨を買うともらえるので、日本円を売って米ドルを買って持ち続けるともらえます。反対に米ドルを売って日本円を買うとスワップポイントを支払う仕組みなので、注意が必要です。
また、実際のスワップポイントは、各国の金利によって毎日変わります。
初心者に向く理由2 少額からでも始められる
FXの投資単位の基本は長らく「1万通貨」なので、1米ドル140円のときの1万米ドルは140万円ですが、手元に140万円がなくても始められます。最近では1通貨から取引できるFX会社も増えたからです。
また、FXは入金した証拠金の25倍までの取引ができるため、米ドル/円であれば6万円程度で始められます。FXの証拠金に対する取引金額の倍率をレバレッジといいますが、高いレバレッジをかけると損失のリスクが高まります。初心者はなるべく取引額と同額を差し入れ(レバレッジ1倍)、余裕を持って取引しましょう。
初心者に向く理由3 FX会社が破たんしても保護される仕組みがある
FXには「信託保全」という仕組みがあり、顧客の資産はFX会社の資産と分けて信託銀行などに保管されるため、FX会社が破たんしても、財産は戻ってきます。
一方、外貨預金はFXより安心安全なイメージがありますが、金融機関が破たんすると払い戻しの保証はありません(円預金の場合、金融機関が破たんしても、預金保険制度にもとづいて預金者にお金を払ってくれるペイオフという仕組みがあります)。
このように、FXのスワップポイント投資は初心者でも始めやすく、比較的手堅い投資法といえますが、安全に投資するにはFXの仕組みをよく理解し、リスクを避ける方法を知っておくことが大切です。
まずは最低限の知識を頭に入れ、少額から始めてもいいかもしれません。
文・松田聡子(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部
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