「投資は長期の始めたほうがいい」。初心者には、たいていそんなアドバイスが投げかけられます。「きっとその通りなんだろう」と思うものの、ハッキリと“なぜ投資は長期でしたほうがよいのか”説明できるでしょうか?
株価は長期では上がっている
過去の実績をみても、リーマンショックやコロナショックなど株価が大きく暴落したことはありましたが、その後、少しずつ回復して数年から数十年後にはプラスに転じています。
このように投資は、短期では損失することがあっても、長期では利益を得る可能性が高いものです。
この傾向は米国株だけではありません。日本株も、不動産バブル崩壊後のショックから回復して、最近日経平均株価が4万円を突破したのは記憶に新しいでしょう。
(ただし、これらはあくまで過去のデータであって、これから絶対に上がり続けると言えるわけではありません)
複利で増やせる効果とは
「複利」とは、要は利子にも利子がつくことです。これに対して、もらった利子に利子がつかないのが「単利」です。
たとえば毎月5万円投資すると、1年で60万円になります。そこで5%の利子がつくと1年後には1.4万円増えています。複利の場合、この増えた1.4万円にも利子がつくわけです(逆に単利は、毎月投資した原資にしか利子はつきません)。
長期では複利を味方につけられるため、資産の拡大が加速させられるのです。
同じ金額を毎月積み立てることには他にもメリットがあります。それは、投資商品の平均購入単価があまり高くならないようにできることです。なぜなら、積立投資は、「下がった時にたくさん」「上がった時には少なく」買う方法だからです。買うタイミングを自分で決めるのは難しいので、自動で積立投資する設定をするのが一般的です。
投資は途中でやめないこと
このため、使う予定があるお金は投資に充てないことです。まとまったお金が必要になったからといって、買った株などの商品を現金にすると、タイミングによっては損することがあります。生活に必要なお金や、急な出費があっても大丈夫なようにある程度余裕資金を準備しておきましょう。
投資せず放置だとお金は増えない
現金は、そのまま放置していても増えません。銀行に預けていても金利が高くないため、減らないかわりに増えません。将来のために資産を増やしたいなら投資は必須でしょう。
そして、投資を長く続けるためには、できるだけ若いうちから始めることが大切です。早く始めたほうが長く投資できます。
「もう若くはないから......」と長期投資を諦めてしまう人もいますが、人生100年時代ともいわれますし、たとえば5年でも10年、20年でも、資産を今より増やすことはできます。1日でも長く投資を始めて、長い老後に備えるとよいでしょう。
ただし、投資に絶対はありません。リスクはゼロにはならないので、減る可能性もあります。しかし長期投資なら、長期的な株価の上昇や複利の効果などが味方してくれるので、資産形成が成功する可能性を高められるでしょう。
構成・デザイン・鈴木愛子(フリーライター)
編集・濱田 優(dメニューマネー編集長)
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