東大合格がテーマの学園ドラマ「ドラゴン桜」（TBS系）が6月27日(日)に最終回を迎えました。よく「東大生の親は東大生」ともいいますが、東大合格は誰にでも平等にチャンスがあるものなのでしょうか。

東大の親の年収や職業を確認してみると？

東京大学は原則として毎年、経済生活、キャンパス・ライフ、レジャー、価値観など学生生活の多様な側面を調べる「学生生活実態調査」という資料を発表しています。もともとは学生生活の窮乏の実態を明らかにするという困窮度調査だったこともあり、アンケート回答ベースではありますが、親の年収や職業も公開しています。

学歴とお金の関係を探るため、2018年版のデータを見ていきましょう。まずは親の年収（世帯年収）の分布です。

次に父親・母親の職業を見てみましょう（上位4項目のみ表示）。

続いて、父親・母親の雇用形態です。

東大の親、特に父親の年収は高い！

これらのデータを見て、どのような印象を抱いたでしょうか。

厚生労働省の「2019年国民生活基礎調査」によると、「児童のいる世帯」の平均年収は745万9,000円であるのに対し、東大生の世帯で、年収が750万円未満なのは全体の約1/4です（25.7%）。この時点で、東大生の親は平均よりフローリッチであると言えるでしょう。

平均値は一部の高所得世帯が値を引き上げるため、中央値は745万9,000円よりもっと低いことが予想されます。それを加味すると、東大生の親は、さらに一般よりフローリッチであると言えるでしょう。

また、世帯年収1,500万円以上の世帯は全体の3.3%しかないのに（前出「2019年国民生活基礎調査」による）、東大生の親で年収1,550万円以上を超える世帯は16.1%もあります。1,500万円と1,550万円の違いはあれど約5倍の差があります。高所得世帯の割合は一般より圧倒的に高いと言えるでしょう。

驚くべきことは、母親の3人に1人以上が無職、つまり専業主婦である点です。

専業主婦率34.2%という数字自体は、厚生労働省が発表を見ても、そこまで全国平均と乖離していませんが、それはすなわち「父親1人が稼いでいる世帯」が1/3以上ということです。

その上で世帯年収データであることを考えると、いかに父親が高い収入を得ているかがうかがいしれます。

お金があれば東大という学歴を手にできる確率は上がる

東大合格は受験生本人の多大な努力があってこそですが、データを見る限り、少なくとも平均的な日本人に比べて、東大生の親は裕福であると言えます。おそらく、経済的にゆとりがあることが学業邁進の環境整備に繋がり、合格率を高めているのだと思われます。

結論として、東大という学歴をお金で買うことはできませんが（当たり前ですが）、「東大という学歴を手にできる確率は上がる」というところでしょう。

東大の「学生生活実態調査」で残念なことは、「東大生の親の資産額」の集計がないことです。資産額は年収以上に差がつきやすい項目なので、おそらく世帯年収よりも、平均と乖離した結果になるでしょう。

もし東大関係者がこのコラムを見ていたら、ぜひ次回の集計に加える検討をして検討をしてみて下さい。興味深いデータが取れるはずです。

文・菅野陽平（ファイナンシャル・プランナー）
編集・dメニューマネー編集部
画像・ohayou! / stock.adobe.com（画像はイメージです）

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