トヨタ自動車 <7203> の豊田章男社長の報酬が約4億円であることが明らかになりました。有価証券報告書によれば、トヨタ自動車では、豊田章男社長をはじめ、7人の取締役が1億円以上の報酬を受け取っているようです。
豊田社長のように「億」を超える所得のある人は、日本全国にどのくらいいるのでしょうか。
報酬1億以上の上場企業役員は約200人、最高額は18億円
上場企業は、決算の状況をまとめた書類を「有価証券報告書」として公開しなければいけません。6月24日までに3月期の報告書を開示した772の企業のうち、1億円以上の報酬を得ている役員は総勢219人いたとのことです。
役員としての報酬が最も多いのは、ソフトバンクグループ <9984> のサイモン・シガース取締役で、18億8200万円あったそうです。トヨタ自動車は豊田章男社長が最高額ではなく、Didier Leroy取締役が14億5100万円となっています。
大企業の役員と言えど、1億円を超える報酬を得られる人はそれほど多くはないようです。
もらっているのは給与・役員報酬だけじゃない?
ここで忘れてはいけないのは、上場企業の役員は役員報酬ではなく、自社株などからの配当収入が大きいという点です。
たとえばソフトバンクの孫正義氏の役員報酬は、1億円程度です。前年は約2億円だったので、かなり控えめといえます。
しかし、孫氏は報酬が2億円だったその年、配当などを含む収入は195億円あったといいます(『役員四季報』による)。
配当の場合は配当控除を受けられ節税できるといわれています。額など条件にもよりますが、役員報酬だけで受け取るよりも、役員報酬と配当とで受け取るほうが、手元に残る額が大きいとされます。
所得が「億超え」の人は全国に約2.3万人。5000人に1人の割合
ところで、日本全体で所得が「億」を超える人はどのくらいいるのでしょうか。
国税庁のまとめでは、2万3550人いるようです(2019年度データ、国税庁統計年報より)。割合に換算すると、全人口の0.02%、5000人に1人です。
なお、その中でも、所得が10億円を超えるのは695人、100億円を超えるのはたった16人と、さらに少なくなっていきます。
これだけの所得を給与・役員報酬だけで受け取っている人はさすがに少なく、5000万円以上1億円以下の所得がある5万6939人のうち「給与所得者」は2万9096人いますが、10億円以上となると1237人のうち給与所得者はわずか234人、100億円以上所得がある16人のうち給与所得者はゼロとなっています。
やはり給与だけで超巨額を稼ぐのは難しい(または非効率な)ようです。
文/編集・dメニューマネー編集部
(2021年7月2日公開記事)
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