日本では「100円ショップ」(百均)が人気だが、アメリカの“百均的存在”といえる「ダラーストア」は、メーカー品を模倣した粗悪品などが並んでおり、安っぽい印象が強い。その名の通り1ドル程度で買えるものがたくさん並んでいる。
そんなアメリカで、店舗を増やし続けているのがダイソーだ。世界24の国と地域に進出しており、アメリカにも80店あるという。ダラーショップが「安くて品揃えが悪いもの」と思い込んでいる人が多いアメリカで、これだけの成長は驚きというのが、アメリカ在住の筆者の感想だ。なぜダイソーは支持されているのだろうか。
ダラーストアとダイソーのアメリカ的格差
一般にダラーストアが多いのは、低所得層が多く住む地域といわれている。ダラーショップに売られているのは、安い冷凍食品や菓子類だ。健康に気をつかっている人からすると、“いかにも不健康そうな”安い食品が並んでいる。
そして、そういう地域には、新鮮な食品を売る大手スーパーはあまりない。新鮮な食材は、低所得者にとっては高すぎるのだ。ダラーショップが近所に増えると、大手スーパーは閉店してしまうとも言われている。
もちろんダラーストアがすべて悪い印象というわけではないのだが、日本で「百均」が得ている人気や市民権と比べると大きな差があるといっていい。
そんなアメリカでは、ダイソーはほとんどが人気モール内に出店しているようだ。客層はアジア系やアジア文化好きのアメリカ人が多いといわれている。値段は約150円から200円と場所によって異なり、ダラーショップより高いモノもあるが、客は日本ならではの気の利いたアイデア商品や“カワイイ”小物を安値で買えるのが受けているのだろう。
ダイソーは“高級”ダラーストア?
ダイソーが「ダラーストア=三流品」という意識を変えた理由はいくつか考えられる。
まずSNSの影響だ。インフルエンサーが動画などでダイソーの便利なキッチン道具や手芸用品を紹介し、その知名度が広がっている。
コロナ禍以前にブームになっていた訪日観光も関係しているといえるだろう。日本を訪れた外国人観光客の多くがが、百均でその安さと品ぞろえ、コストパフォーマンスの高さに感動する。アメリカ人を含む外国人の間で、「日本の百均はすごい」という認識が広がりつつあった。
ダイソーが人気なこともあってか、最近は、ダラーストアも安っぽく見えないカードやパーティーグッズなどを充実させ、客層を広げている。
高所得層の間でもコスパ志向が高まるアメリカで、“高級ダラーストア”としてダイソーはさらに人気を集め成長しそうだ。
文/編集・dメニューマネー編集部
画像・Michael J Magee / stock.adobe.com
(2021年7月3日公開記事)
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