話題になった「老後2,000万円問題」の影響もあり、「老後の備えに貯蓄が2,000万円は必要」と考える人も増えているようです。しかし、実際はどうなのでしょうか？ 50代の貯蓄額の平均値・中央値を確認してみましょう。

金融資産を保有していない世帯は13.3％

50代で金融資産を保有していない世帯は13.3％だそうです（金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査）。一割以上の世帯が金融資産を保有していないことになります。

老後資金として必要になる額は人それぞれですが、退職金や年金に期待できない場合は、50代までに貯蓄を増やしておきたいところです。

50代の貯蓄額の平均値は1,684万円

平均値を見ると、50代で2人以上世帯の貯蓄額の平均値は1,684万円でした。

多いと感じるでしょうか、少ないと感じるでしょうか。

これは「平均値」ですから、富裕層の貯蓄により押し上げられる傾向にあります。もう少し実態に近づいた数値を確認するための値として「中央値」があります。

「中央値」とは、小さい順に並べたちょうど中央にある額になります。そのため、より実態に近い数字ともいわれています。

50代の貯蓄額の中央値は800万円

50代の2人以上世帯の中央値は800万円でした。

ここで疑問として生じるのは、「800万円を2,000万円に増やせるのか」ということです。現在50歳で60歳まで10年あると考えて試算してみます。

2,000万円-800万円=1,200万円
1,200万円÷10年÷12ヵ月=10万円

単純計算ですが、1ヵ月10万円ずつ貯蓄していけば10年で残り1,200万円を貯められます。

月10万円は難しくとも月々可能な範囲で貯蓄に回せれば、老後の不安をいくらか和らげられるのではないでしょうか。

老後資金を考えるなら50代はラストチャンス？

老後資金を考えて貯蓄を増やすには、多くの人にとっては50代が最後のチャンスともいえます。貯蓄額が足りなくなりそうであれば、少額からでも積み立てするなど、老後の備えをすぐに始める必要があります。

子育て中の夫婦にとっては、高校・大学など費用などがかかる時期かもしれませんが、コツコツ積み立てていきましょう。

文・勝目麻希（金融ライター）
編集・dメニューマネー編集部

（2021年7月4日公開記事）

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