新しいNISAが2024年に始まるのを前に、NISA口座を開こうと銀行に相談に行ったものの、口座が開けないで困るケースがあるという。ある銀行員によると、意外と多いのが、既にNISA口座を開設している人で、「どこで開いたか忘れた」という人も少なくないという。そういう場合、どうしたらいいのだろうか?
NISA口座は一人ひとつしか作れない
NISA口座は一人1口座しか作れない。現行の制度では、一般NISAとつみたてNISAの2つがあるが、両方作ることもできない。一般NISAの口座があれば、つみたてNISAはできないし、その逆も同じだ。ただし、一般NISAから、つみたてNISAを変えるのは問題ない(その逆も同じ。ただし変更は年1回)。
新たにNISA口座を作ろうとしてできない原因の一つは、すでに他の銀行や証券会社でNISA口座を開いているから。
「そんな人いるの?」と思われるかもしれないが、これが多い。たとえば複数の銀行で口座を持って取引をしている人、知り合いのFPやIFAなどのセミナーに付き合いで参加して、言われるがままにしていたら、いつの間にかNISA口座を開いていた、という人もいる。
既にNISA口座がある人は、もう一つ口座を開こうとしたら、税務署からNISA開設を承諾しない旨の通知が届いてしまう。
もしどこの銀行・証券で口座を作ったか分かるなら、金融機関に聞けば教えてもらえることもあるが、検討もつかないという人はどうしたらいいのだろうか。
どこにNISA口座があるか分からないならここに聞くしかない
NISA口座を持っているが、どこで開設したか分からない人は、ずばり税務署に聞くことだ。
なぜかというと、NISA口座は「非課税口座」で、皆が公平に非課税の恩恵に浴するため、税金を管轄する税務署がNISA口座の状況を把握しているからだ。
分かりやすいのは、住んでいる地域を管轄する税務署へ書類を提出する方法だ。書類とは、「非課税口座の開設先金融機関に関する確認依頼書」で、税務署にある。身分証(本人確認書類)と印鑑を持って税務署に行き、書類を書いて出せばいい。
または、e-TAXでもNISAの開設状況を調べられる。ただし、e-TAX識別番号を持っていて、税務署へのマイナンバーを申告済みでないと、この方法は使えない。
新しいNISAを来年1月からフルで活用するには、今年中に口座開設の手続きを終わらせないといけないが、手続きには数週間から1ヵ月ほどかかることがあるので、手続きは早く済ませてしまおう。
文/編集・dメニューマネー編集部
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