インフレ対策で考えたい「ゴールド」投資、いま注目の「金投資」の種類と方法

2021/12/26 12:30

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新型コロナウイルスによるパンデミックは、ワクチン接種の広がりから少しずつ沈静化に向かい、経済も段々と正常化に向かっています。 これまで各国の中央銀行はこれまで、コロナ対策として過去例を見ない規模で金融緩和を行ってきました。平易に言えば、とてつもない量のお金がバラ撒かれている状態です。 そこに経済正常化が進んだものですか

新型コロナウイルスによるパンデミックは、ワクチン接種の広がりから少しずつ沈静化に向かい、経済も段々と正常化に向かっています。

これまで各国の中央銀行はこれまで、コロナ対策として過去例を見ない規模で金融緩和を行ってきました。平易に言えば、とてつもない量のお金がバラ撒かれている状態です。

そこに経済正常化が進んだものですから、特に米国を中心に、インフレ(モノの価値が上がり、お金の価値が下がる現象)が加速する兆しがあります。

インフレに強い資産には株式、不動産、インフレ連動債、金(ゴールド)などが挙げられます。今回は、そのなかでも金(ゴールド)について見ていきましょう。

インフレ対策としての「金」(ゴールド)投資

米国の消費者物価指数(CPI)を見ると、2021年3月は前年同月比で2.6%上昇、2021年4月は前年同月比で4.2%上昇、2021年5月は前年同月比で5%上昇と急速に物価が上がっています。

インフレとは「モノの価値が上がり、お金の価値が下がる」現象ですので、このようなインフレにおいては、お金(現金)は持っているだけで段々と価値が目減りしてしまいます。そのようななか、ひとつのアイディアとして検討したいのが金(ゴールド)への投資です。

「有事の金」という言葉もあるように、金は「安全資産のひとつ」として広く認識されています。採掘量が少なく希少性があること、世界中で換金でき流動性が高いことなどがその理由です。

実は、「金本位制」といって100年ほど前までは、金が各国通貨の価値の裏付けとなっていました。つまり、各国の中央銀行が発行した紙幣と同額の金を保有していたわけです。米ドルだけが金との交換比率を固定する「ブレトンウッズ体制」も広義の金本位制と捉えれば、金が通貨の裏付けになっていたのはつい50年ほど前の話です。

人類史において常に価値を認められてきたことを考えると、将来、金が無価値になる可能性は極めて低いと言えるでしょう。

どのように金へ投資すれば良いのか

田中貴金属工業が公表している過去5年間の月次金価格推移を見ると、コロナ禍が本格化した2020年3月から2020年8月まで一貫して上昇しています。その後、2021年3月まで調整局面に入りましたが、米国のCPI上昇と連動するように、足元は上昇を続けています。

金に投資する方法には、主に以下のようなことが挙げられます。なお、イメージがしやすいように個別銘柄も挙げておりますが、下記の銘柄を推奨しているわけではありません。

現物を購入する

金の現物(実物)を購入する方法です。インゴット(延べ棒)をイメージすると分かりやすいでしょう。地金商や取扱会社によっては、積立投資できる場合もあります。

金価格に連動する投資信託を購入する

金価格に連動する投資信託に投資する方法です。例えば、以下のようなものが挙げられます。

ピクテ・ゴールド
三菱UFJ 純金ファンド

金価格に連動するETFを購入する

金価格に連動するETFに投資する方法です。例えば、以下のようなものが挙げられます。また、金ETFのなかには、金の現物に交換できるものもあります。

NEXT FUNDS 金価格連動型上場投資信託 <1328>
純金上場信託(現物国内保管型) <1540>

金鉱株の個別銘柄を購入する

やや間接的ですが、金などの貴金属の採掘・精錬に関わる金鉱企業の株式に投資する方法です。「金関連銘柄」と呼ばれることもあります。例えば、以下のようなものが挙げられます。

住友金属鉱山 <5713>
ニューモント
バリック・ゴールド

金鉱株ETFを購入する

金鉱株がパッケージ化されたETFです。日本には金鉱株ETFはありませんが、海外には存在します。例えば、以下のようなものが挙げられます。

金鉱株ETF

目安は資産全体の1割から2割ほど

インフレに強いと言われる金への投資ですが、注意点もあります。金は利息を生まないので、利上げ局面に弱いという意見もあります。今後中期的にはFRBの利上げが予想されますので、金価格が調整する局面もあるかもしれません。

いずれにせよ、基本的に金はポートフォリオのメインとなるアセットクラスではありません。詳細は各人の状況によって異なりますが、資産全体の1割から2割ほど保有すれば十分でしょう。

文・菅野陽平(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部

(2021年7月12日公開記事)

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