自分の死後に、残した財産が原因で相続争いが起きることがある。そのためにも、遺言書は残しておいたほうがいい。しかし、書き方を間違えると書類が無効になってしまうことも。また、遺言書を書かなくても、相続争いを避ける方法がある。自分の死後のことを考えて、今からできることには、どのようなものがあるのだろうか?
相続争いを防ぐ「遺言書」の作り方
相続争いが起こる原因の一つに「遺言書の書き方」があり、おろそかにすると親族の仲が悪くなるだけでなく、内容が無効になってしまうこともある。遺言書はどのように書けばいいのだろうか。
遺言書の「付言事項」を使って「自分の考え」を伝える
遺言書には、どの財産を誰にどう残すかという内容だけでなく、「付言事項」としてメッセージのようなものを書き足せるので、そこに、どのような気持ちで遺言書を書いたか、理由や考えを書こう。すると、親族も遺言書の内容に納得するだろうし、争いも起こりにくくなるだろう。
確実に相続したいなら「公正証書遺言」を作る
親族に争わせることなく、遺言の内容を確実に実行してもらいたいなら、「自筆証書遺言」ではなく、「公正証書遺言」を残すといい。
「自筆証書遺言」は、その名のとおり自分で書けるもので、紙と封筒と印鑑さえあればできるが、デメリットとして法律的な力が弱く内容が変えられやすい点がある。
これに対して、「公正証書遺言」は公証人という立場で法律の専門家が被相続人の意志を確認しながら一緒に作るもので、手間やコストはかかるが、法律的な力が強く内容が変えられることもない。
費用は財産状況により大幅に変わるが、10万円前後かかると考えておくのがいいだろう。
相続争いを回避するため死ぬ前にしておきたいこと
自分の死後に家族が争うなんて、考えたくないもの。しかし、ドラマのような相続争いは現実に起きている。相続争いを回避するため、次のことに取り組んでおきたい。
財産目録を作成する
「財産なんてそんなにない」と口にする人がいるが、自宅不動産や株式などを含めると、かなりの額になることがある。まずは自分が保有する財産を洗い出し、財産目録を作成しよう。
相続財産に含まれるもの
・預貯金
・不動産(土地・建物)
・自動車
・株式や投資信託などの金融商品
・金
・貸金
・宝石、美術品、骨とう品など
・住宅ローンなどマイナスの財産
預貯金なら銀行名や支店名、不動産なら所在地や面積・利用状況なども記載しておこう。また、預貯金は残高を、それ以外の財産は評価額も記載する。
手書きでもエクセルでもかまわないが、エクセルなら残高や評価額をあとから修正できて便利だ。
家族で話し合いをする
遺言書を準備したものの、誰にも告げないまま本人が亡くなると、遺言書が本物かどうかをめぐって結局トラブルになりかねない。家族を集めて、遺言書を準備したことをきちんと伝えよう。
あわせて「家族の争いは最も避けたいことだから、もしかすると財産分与について思うところがあるかもしれないが、十分に考えて決めたことなので、納得してもらいたい」といった率直な気持ちを話しておくことも大切だ。
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相続争いを回避するため死ぬ前にしておきたい3つのこと
文/編集・dメニューマネー編集部
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