自分の死後に家族が争うなんて、考えたくないもの。しかし、ドラマのような相続争いは現実に起きています。相続争いを回避するため、3つのことに取り組んでおきましょう。高齢の親がいるという人も3点を確かめて、本人と話し合っておきたいところです。
1 財産目録を作成する
「財産なんてそんなにない」と口にする人がいますが、自宅不動産や株式などを含めると、かなりの額になることがあります。まずは自分が保有する財産を洗い出し、財産目録を作成しましょう。
相続財産に含まれるもの
・預貯金
・不動産(土地・建物)
・自動車
・株式や投資信託などの金融商品
・金
・貸金
・宝石、美術品、骨とう品など
・住宅ローンなどマイナスの財産
預貯金なら銀行名や支店名、不動産なら所在地や面積・利用状況なども記載しておきましょう。また、預貯金は残高を、それ以外の財産は評価額も記載します。
手書きでもエクセルでもかまいませんが、エクセルなら残高や評価額をあとから修正できて便利です。
2 遺言書を作成する
続いては、財産目録を元に遺言書を作成します。遺言書があると、遺された家族に「故人の遺志を尊重しよう」という気持ちが生まれ、相続争いのリスクを減らせます。
一般的に使われる遺言書は、次の2種類です。
自筆証書遺言 | 自分で作成する遺言。手軽に作成できるが、不備があると無効になる。 |
---|---|
公正証書遺言 | 公証人と作成する遺言。公証役場で原本を保管してくれる。無効になりにくいが、費用がかかる。 |
費用は財産の額によりますが、数万円程度ですむことも多いので、確実性を求めるなら公正証書遺言がおすすめです。
3 家族で話し合いをする
遺言書を準備したものの、誰にも告げないまま本人が亡くなると、遺言書が本物かどうかをめぐって結局トラブルになりかねません。家族を集めて、遺言書を準備したことをきちんと伝えましょう。
あわせて「家族の争いは最も避けたいことだから、もしかすると財産分与について思うところがあるかもしれないが、十分に考えて決めたことなので、納得してもらいたい」といった率直な気持ちを話しておくことも大切です。
相続争いは、長い年月にわたって家族にひずみをもたらします。生前に相続に備えておけば、家族の穏やかな生活を守ることができ、あなたの心も軽くなることでしょう。
文・木崎涼(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部
【関連記事】
・「厚生年金」を月25万円もらうための3つの方法
・初心者向け!ネット証券オススメランキング(外部サイト)
・「電気・ガス・水道代を節約したい」人がやってはいけないこと
・株主優待をタダ取りする裏ワザとは?(外部サイト)
・ひろゆきが「宝くじを買うこと」を問題視した本当の理由
(2022年2月5日公開記事)