ニュースなどで「TOB」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。最近では、牛角などを展開する外食大手のコロワイド <7614> と大戸屋ホールディングス <2705> や、三井不動産 <8801> と東京ドーム <2705> のTOBなどが、記憶に新しいのではないでしょうか。「TOB」とは一体何の略でしょうか?
株式公開買付のことで、M&Aの手法のひとつ
「TOB」とは、“Take Over Bid”の略で、上場企業の株券などを、あらかじめ「買付期間」「買付株数」「買付予定株数」「買付価格」を公開した上で、条件に同意した株主から取引所外で買い付ける公開買付のことを指します。
TOBは企業買収や子会社化などを目的に実施されるもので、M&Aの手法のひとつとも言えます。
取引所外で買い付ける理由は、市場で株式を買い進めると株価が一気に上昇する可能性があるからです。市場で買い付けると、他の投資家が株式の買い進めに気づきやすくなるため、結果的にTOBを行う以上の価格で買ってしまう恐れがあるため、取引所外で一定の価格で買い付けるというわけです。
TOBは取引の透明性・公正性を確保する観点から、金融商品取引法により定められた制度で、株主や投資家に対して平等に株券などの売却機会を提供することで、投資者を守る目的もあります。
三井不動産の東京ドームTOBで注目
TOBには買収される企業の経営者から同意を得た上で行う場合と、そうでない場合があります。一般的に前者を「友好的TOB」、後者を「敵対的TOB」と表現することも。
2020年9月、コロワイドは定食チェーンの大戸屋ホールディングスに対する、いわゆる「敵対的TOB」を成功させました。これは外食業界では初めてのことです。
一方、2021年1月には、三井不動産が東京ドームの運営会社を子会社化するTOBが成立。東京ドームは10%近い同社株を持つ香港の投資ファンド、オアシス・マネジメントと経営方針をめぐり対立しており、三井不動産がファンドの影響力を排除するかっこうで、こちらは「友好的TOB」と言えるでしょう。
文/編集・dメニューマネー編集部
(2021年7月22日公開記事)
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