ロレックスは企業ではない?セキュリティは刑務所以上?ROLEXの意外なトリビア6選

2021/12/22 12:00

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世界有数の高級腕時計ブランドとして名高いロレックス。創業116年という長い歴史の中には、世間にあまり知られていない意外なエピソードがいくつかある。トレードマークのクラウン(王冠)に隠された、6つのエピソードを見てみよう。 1 ロレックスは企業ではない? ロレックスを所有しているのは、ロレックスの創業者ハンス・ウィルスド

世界有数の高級腕時計ブランドとして名高いロレックス。創業116年という長い歴史の中には、世間にあまり知られていない意外なエピソードがいくつかある。トレードマークのクラウン(王冠)に隠された、6つのエピソードを見てみよう。

1 ロレックスは企業ではない?

ロレックスを所有しているのは、ロレックスの創業者ハンス・ウィルスドルフが1944年に設立した、ウィルスドルフ・ファンデーションという非営利財団だ。

寄付の詳細は公表されていないが、ヨーロッパで最大の奨学金を支給するなど、ロレックスの利益の大部分が慈善団体や社会的目的に寄付されているという。ロレックスは会社ではあるのだが、一部では「ロレックスは企業ではなく慈善団体」と見なされている。

2 自社で金を製造している世界唯一の時計メーカー

ロレックスの商品に使用される合金は、すべて自社生産されたもの。同社は自社鋳造所を所有しており、3種類の金(ゴールド)と904Lステンレススティールを独自の製法で生産している。そしてそれを実現するために、摩擦学や化学、材料物理学の一流専門家を集めた、中央研究所に投資している。

ここまで素材にこだわっている時計ブランドは、世界中でロレックスのみ。その理由は、「金属の組成が腕時計の美的特性や機械特性、加工特性を決定する最も重要な要素だから」だという。

3 重警備の刑務所より高度なセキュリティーレベル

スイスの本社には100万ドル(約1億 1033万円)相当のエバーローズゴールド(同社が開発したゴールド)が保管されている。

安全を期して、従業員の管理には指紋・虹彩認証システムを採用。金庫室の出入口には銀行で使用されているものと同じ金庫扉を設置し、部品の移送にはマークの付いていない装甲トラックを使用するなど、重警備の刑務所よりセキュリティーレベルが高いという。

4 スイスに移転した目的は租税回避だった?

「スイスの高級腕時計ブランド」というイメージが定着しているようだが、1905年にロレックスが設立されたのはロンドンである。その後、1919年にジュネーブに移転した。移転の目的は、租税回避だったといわれている。当時、イギリスが第一次世界大戦(1914~18年)の痛手から回復期にあったのに対し、スイスは遙かに魅力的な税制上の優遇措置を企業に提供していた。

前述の通り、現在はウィルスドルフ・ファンデーションが財政を管理しており、慈善活動や社会貢献に巨額の寄付を行っている。

5 「幻のシースルーケースバッグ」が存在する

高級腕時計に人気のシースルーケースバッグ(ガラス張りの裏蓋)だが、機能性と実用性を追究するロレックスは、基本的にシースルーケースバッグを採用していない。

ところが、実は1930年代に2つだけ、シースルーケースバッグのモデルを生産した。これらのモデルは極めて希少価値が高く、現在は本物を市場で見かけるのは稀である。

6 第二次世界大戦で名声がさらに高まった

ロレックスを「世界の腕時計の王座」に押し上げたのは、第二次世界大戦中のある出来事だった。第二次世界大戦中、その優れた高精度、品質、耐久性から、多数のイギリス空軍のパイロットがロレックスの腕時計を着用していた。しかし、敵軍だったドイツ・ナチスの捕虜になった際、その多くが没収されてしまった。

これを知ったロレックスは、腕時計を失った兵士に無料で自社の商品を贈呈した。この出来事は瞬く間に他国の兵士の間でも広がり、ロレックスの評価を高めると同時に、その知名度を不動のものにした。

これらのエピソードからは、知らなかったロレックスの一面が垣間見える。それと同時に、ロレックスが腕時計ブランドの範疇をはるかに超える、卓越した存在であることが伝わってくるのではないだろうか。

文・アレン琴子(オランダ在住のフリーライター)
編集・濱田 優(dメニューマネー編集長)

(2021年7月17日公開記事)

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