2024年に始まる新NISAでは投資できる額が大幅に増えるため、チャンスは大きくなるが、その分、損する可能性も高くなる。あと数ヵ月で始まる新しい制度に備えて、「やらないほうがいいこと」と「今年のうちにやっておいたほうがいいこと」を知っておこう。
2024年に始まる新NISAで「やってはいけない」こと
2024年から始まる新NISAは、いまのNISAと大きく変わるため、勘違いから損をするリスクがある。新NISAは気をつけて運用をしないと、次のような失敗をしてしまうかもしれない。
上限ぎりぎりまで投資して枠がなくなる
新NISAで上限ぎりぎりの360万円まで投資すると、たった5年で生涯の非課税枠1,800万円を使い切ってしまう。
そのあと大暴落が起きて絶好の買い時がきても、商品を売らないと非課税枠が復活しないので、チャンスを逃して損するかもしれない。
いまのNISAは、上限を使い切ったほうが非課税で投資できる金額が増えてお得になる仕組みだった。期間が有限で、年間の投資上限も一般NISA120万円、つみたてNISA40万円と新NISAより少なかったからだ。
しかし、新NISAは無期限なので、上限ぎりぎりまで投資する必要はない。
初心者のうちは、リスクを下げるため1,000円など少額から投資し、無理のないペースで金額を増やしていきたい。
損しているときに売って税金が増える
値動きの激しい株式などに投資して、損が出ているときに売ると、利益に税金がかからないというNISAのメリットを得られない。
それどころか、かえって税金が増えるリスクすらある。いまのNISAでも新NISAでも、NISAの損失はほかの投資で得た利益と相殺できないからだ。
NISAで損が出ているときは、あわてて売らないよう気をつけたい。また、初心者はつみたて投資枠を使って、損が出にくい投資信託から始めるとよいかもしれない。
新NISAが始まる前に!2023年中にやらないと損する分配金の話
投資信託の分配金は「受け取る」か「再投資」するか選ぶが、元本をもっと増やせる可能性のある「再投資」を選ぶという人は少なくないだろう。ただそれがNISAで購入しているのなら、非課税のはずのNISAで思いよらず課税扱いになることがあるので注意が必要だ。
現行NISA内での再投資は非課税だったが……
なぜNISA口座で買った投信の分配金が、課税されるかもしれないかというと、来年NISA制度が変わるからだ。
これまで、NISA口座で買った投信の分配金は、非課税枠の範囲内で同じNISA口座の中で再投資されていたが、来年からの新NISAは、現在のNISAとまったく違う器であり、過去の器の中でうまれた分配金は、新しい器に入れることができないということだ。
現行NISAの分配金は新NISAでは再投資できず、その分配金の行き先は、課税口座(特定口座や一般口座)。
このため、自分で課税口座で投信を買ったつもりがなくても、課税口座内に投信の一部を保有することになってしまうのだ。
知らない間に課税口座で投資されている、とならないために
そうならないようにするには2つの方法があり、「分配金を再投資せず受け取ってしまう」か「投資信託を売り、新NISAで買いなおす」だ。
まず「分配金を再投資せず受け取る方法をとれば、課税口座に移らないので税金はかからない。ただしデメリットとして、複利の恩恵は受けられない。また、金融機関や投信によっては、受け取り方法を変更できないこともあるので確かめよう。
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新NISAが始まる前に!2023年中にやらないと損する分配金の話
文/編集・dメニューマネー編集部
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