回転寿司大手のスシロー。コロナ禍前までは連続して増収増益を達成しており、飛ぶ鳥を落とす勢いで事業を拡大してきた。そして業界でも平均年収で1位に踊り出たが、実は数年前にある企業に首位の座を奪われた。その企業は、「モーニング」が人気のあの珈琲店だ。
スシローを抜いたのはコメダ
スシローを展開するFOOD & LIFE COMPANIES(2021年4月に「スシローグローバルホールディングス」から社名変更)<3563>の平均年収を追い抜いたのは、「コメダ珈琲店」を展開するコメダホールディングス(コメダHD)<3543>だ。
以下が外食業界の各社の直近決算期における平均年収をランキング化したものだ。コメダHDがトップで平均年収は900万円となっており、2位のFOOD & LIFE COMPANIESに約88万円の差をつけている。
外食業界の平均年収ランキング
順位 | 企業名 | 平均年収 |
---|---|---|
1位 | コメダHD | 9,000,000円 |
2位 | FOOD & LIFE COMPANIES | 8,121,770円 |
3位 | リンガーハット | 7,718,950円 |
4位 | トリドールHD | 7,274,000円 |
5位 | B-Rサーティワンアイスクリーム | 7,180,000円 |
6位 | サンマルクHD | 6,911,519円 |
7位 | ダスキン | 6,898,973円 |
8位 | SRSホールディングス | 6,650,000円 |
9位 | 吉野家HD | 6,607,000円 |
10位 | ロイヤルHD | 6,190,000円 |
(出典:各社の有価証券報告書)
コメダが首位の座を奪ったのは3期前のこと
両社が意識していたかは別だが、外食業界ではスシローの運営会社とコメダ珈琲店の運営会社でランキングにおける首位争いが続いていた。
以下の表は、両社が直近4年で発表した平均年収の推移だ。以前はスシローが上だったが、3期前にコメダHDがスシローの運営会社を抜いている。それ以降は、コメダHDが平均年収争いを制している。
2社の平均年収の推移
FOOD & LIFE COMPANIES(すべて9月末) | コメダHD(同2月末) |
---|---|
8,121,770円(2020年) | 9,000,000円(2021年) |
8,480,602円(2019年) | 9,364,000円(2020年) |
7,685,257円(2018年) | 9,737,000円(2019年) |
7,970,883円(2017年) | 7,643,000円(2018年) |
(出典:各社の有価証券報告書)
スシローがコメダから首位の座を取り戻す日は来るのか
結果として、スシローの運営会社はコメダに首位の座を奪われ続けている状況だが、首位の座を取り戻すことはできるのか。鍵を握るのは業績だ。業績がぐんぐん良くなっていけば、コメダを抜く日も遠くはないかもしれない。
ちなみにFOOD & LIFE COMPANIESの今期の業績予想は、売上収益は22.3%増、当期純利益は62.6%増となっている。一方のコメダHDの今期の業績予想は、売上収益は14.2%増、当期純利益は35.1%増となっている。
コロナ禍による業績の落ち込みからの反動もあり、一概には論じにくいが、次期の業績に限れば伸び率はFOOD & LIFE COMPANIESの方が上だ。つまり、現在2位のスシローがコメダとの平均年収の差を縮めるかもしれない。
両社がそれぞれ現在の決算期を終え、有価証券報告書が公表されれば、どのような結果となったかが明らかになる。注目して公表を待ちたいところだ。
文・岡本一道(経済ジャーナリスト)
編集・濱田 優(dメニューマネー編集長)
(2021年7月18日公開記事)
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